2023/10/6 5:15 (2023/10/6 6:10 更新)
【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比9ドル98セント(0.03%)安の3万3119ドル57セントで終えた。9月の米雇用統計の発表を6日に控え、様子見姿勢が強かった。内容次第では米長期金利の上昇につながるとの警戒から、売りがやや優勢だった。ダウ平均は高く推移する場面もあったが、主力銘柄に積極的な買いを入れる動きは限られた。
6日の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比17万人増と8月(18万7000人増)から伸びが鈍化する一方、失業率は8月の3.8%から3.7%に低下すると市場で予想されている。賃金は前月比で伸びが小幅に加速するとの見方が多く、内容次第で米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が強まる可能性がある。
半面、米長期金利は足元で急ピッチで上昇してきたため、市場予想から下振れすれば「大幅に低下する可能性もある」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との見方もあった。発表後の株式と債券相場の反応が読みにくく、雇用統計を見極めたい雰囲気が強かった。
朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は20万7000件と前の週(20万5000件)から小幅に増えたものの、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万件)を下回った。米長期金利は朝方に4.77%(前日終値は4.73%)に上昇する場面があったが、その後は4.7%台前半で推移した。米長期金利の上昇一服は投資家心理を支えた。
個別では飲料のコカ・コーラが5%弱下げた。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株に売りが優勢だった。一方、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのビザなど消費関連株が買われた。製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株の一角も上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も小幅に反落し、前日比16.176ポイント(0.12%)安の1万3219.834で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラが下落した。一方、アナリストが楽観的な需要見通しを示した画像処理半導体のエヌビディアは買われるなど主力株はまちまちだった。