バンブーズブログ

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性加害報道後のジャニーズファンたちの葛藤と「ファンも叩いてOK」の世間の空気への恐怖


 
配信 2023年10月8日 16:15更新 2023年10月10日 19:22
NEWSポストセブン

 連日、ジャニーズ問題が大きく取り沙汰される中、ジャニーズ事務所に所属するタレントを応援するファンたちも難しい立場に立たされている。

 世間の事務所への批判の声が収まらない中、その矛先はファンにも向かっているというのだ──。

 ジャニーズ事務所も今回の問題について、ファンに向けての対応を進めている。

 7日にはファンクラブ「ジャニーズファミリークラブ」の会員へ向けてメールを配信し、〈この度の故ジャニー喜多川性加害問題におきましては、ファンクラブ会員の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。〉と謝罪するとともに、今後はファンクラブの名称を「ファミリークラブ」に変更し、ジャニーズの冠を外すことを伝えている。

 
 性加害はとうてい容認できるものではないが、推しのことは応援したい──そんな複雑な胸中の落とし所を模索しているファンも多いが、その一方で、ファン自体が周囲からバッシングされる機会も増えているのだという。

 20年以上にわたりジャニーズファンを公言している女性・Aさん(41歳・事務職)は、職場で皮肉めいた言葉を投げかけられる機会が増えたと語る。

非営利団体で事務の仕事をしています。私は長いこと嵐、とくに大野智さんのファンです。職場では昔から自分がジャニオタをしていることを公言しています。ジャニーさんの性加害報道が出る前には、職場の人たちも『コンサートなら休んでいいよ、楽しんできてね』などとサポートしてくれる職場だったのですが、今回の一件からガラッと変わって……。

 とくに上の世代の女性スタッフからは『やっぱり、アイドルはそろそろ卒業しないとね。それよりもちゃんとリアルで恋人を作って、結婚考えないとまずいんじゃない?』と言われました。たしかに私は独身で子どももいませんが、そういった生き方にかこつけて皮肉を言われるのは悲しいですね。

 また、別の男性職員には『ジャニーズって言葉は消えちゃうんでしょ? これからAさんの人生、なにを楽しみに過ごすの?(笑)』と煽られました」(Aさん)

 別の界隈のアイドルファンから、批判的な発言をされたというのは、長くジャニーズJr.を応援しており、「熱心なジュニア担」を自称する女性・Bさん(28歳・美容関係勤務)だ。


「私はいわゆる『ジュニア担』と呼ばれる、デビュー前のジャニーズJr.を応援しているファンです。今回の件は、やはりファンとしても複雑な心境で見守っていて、自分自身のスタンスにも悩んでいました。

 ただ、先日K-POPや別の事務所の男性アイドルグループを応援している後輩から、『先輩(Bさん)の応援している子も、絶対に被害に遭ってますよ! あの子のためにもオタク卒業した方が良いんじゃないですか?』とか『自分の推しがおじいさんに食われてるなんて、絶対に無理!』などと、笑いながら言われたんですね。

 すごくショックでしたし、今ならファンも叩いてOKという風潮はおかしいと思います」(Bさん)

 

◆「自分にも責任があるってわかってる?」と言われて…

 このように、職場の人間や知人から心無い言葉を向けられる人もいるが、なかには見ず知らずの人間から「ジャニーズファン」であることを非難された人もいる。関西の大手チェーンの居酒屋でアルバイトしている女性・Cさん(21歳・大学生)は、客の年配男性から、ジャニーズアイドルを応援していることについて、説教をされたという。

「先日バイト中に、60歳くらいの男性サラリーマン客3人組から、『ジャニーズの問題はどう思う? どうせ君みたいな子もジャニーズのイケメンが好きなんだろ?』といきなり絡まれました。実際に私はジャニーズの複数のファンクラブ会員で、ジュニアの舞台も観に行ったりするくらいの熱心なファンです。

 
 嘘をつきたくなかったので、『はい、ジャニーズは好きですよ。今回の件は、ファンとしてもツラいし、悪いことだと思ってます』と正直に返答しました。

 そしたら、そのサラリーマンたちが『お前みたいな女が応援して、金を落とすから、ヤツらが増長して、こんなに大きな問題になったんだよ。自分にも責任があるってわかってる?』とか、『イケメンだったらなんでも許されると思ってるんだろ? 外国なら即アウトだよ! テレビ業界からも退場してほしい』などと捲し立ててきたんです。

 いきなり絡まれたのも怖かったし、自分が応援しているアイドルも被害者かもしれず心が苦しいのに、どうしてこんなことまで言われないといけないのでしょうか。世間の空気に恐怖を感じます」(Cさん)

 事務所に抜本的な経営体制の改善を求める声が高まるなか、所属タレントの広告起用を中止する企業も後を絶たない。だが、批判の矛先は事務所だけに向かっているわけではない。世間の厳しい目線にさらされているジャニーズファンたちもまた、苦しい立場に立たされているようだ。