景気敏感や消費関連に売り ナスダックは連日の最高値
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2024/3/23 5:34
【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比305ドル47セント(0.76%)安の3万9475ドル90セントで終えた。米主要株価指数が連日で最高値を更新した後で、景気敏感株や消費関連株を中心に持ち高調整の売りが優勢になった。ナイキが大幅安となったことも指数を下押しした。ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を広げた。
ダウ平均は前日までの4日間に1000ドルあまり上昇した。節目となる初の4万ドル台乗せも近づいている。主要な株価指数が軒並み高値を付けた後で短期的な過熱感もあり、週末を前に利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。
ナイキは7%弱安で終えた。前日夕に四半期決算とあわせて発表した収益見通しが市場予想に届かなかった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、スポーツ衣料のルルレモン・アスレティカも前日夕発表の業績見通しが市場予想を下回り、急落した。「消費者は支出先を絞るようになり、消費が減速しかねないとの不透明感を誘った」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との声が聞かれた。
朝方はダウ平均は一進一退で取引が始まった。物価上昇の沈静化に時間がかかっているものの、米連邦準備理事会(FRB)が年央にも利下げに転換するとの観測が高まっている。米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの楽観的な見方は株買いを誘った。
人工知能(AI)関連の需要拡大による業績期待も根強く、半導体株の一角が買われたことも投資家心理を支えた。買い遅れていた投資家による物色も続き、ダウ平均は前日つけた最高値を上回る場面もあった。
個別銘柄では、今週上昇が目立ったゴールドマン・サックスやキャタピラーが安い。ビザやアメリカン・エキスプレス、ホーム・デポなど消費関連株の下げも目立った。一方、アップルは反発した。ボーイングとアマゾン・ドット・コムも上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比26.983ポイント(0.16%)高の1万6428.819で終え、連日で過去最高値を更新した。エヌビディアやアルファベットが買われた。