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2024/4/10 5:28
【NQNニューヨーク=稲場三奈】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比9ドル13セント安の3万8883ドル67セント(速報値)で終えた。米国の物価指標の発表をひかえ、米連邦準備理事会(FRB)の利下げまで時間がかかることへの警戒から、売りが優勢だった。下げ幅は一時300ドルを超えたものの、大引けにかけては下げ幅を縮めた。
あす朝に3月の米消費者物価指数(CPI)発表がある。このところ市場予想を上回る経済指標が目立ち、粘着インフレを警戒するFRB高官からは利下げに慎重な発言が相次いでいる。市場ではFRBが6月に利下げを開始するとの観測が根強いが、「CPIが上振れすれば、利下げ開始が9月になるかもしれない」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があり、株売りを誘った。
目新しい取引の材料を欠くなか、「CPIに加え、12日に本格的に始まる米大手銀の四半期決算の内容を見極めたい雰囲気が強い」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との声も聞かれた。
朝方はダウ平均が高く推移する場面があった。米債券市場で長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたとの見方から、ハイテク株を中心に買いが入った。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングの下げが目立った。9日に発表した2024年1〜3月の出荷の大幅減などが嫌気された。アナリストの投資判断引き下げがあったアメリカン・エキスプレスも安かった。トラベラーズやベライゾン・コミュニケーションズなども下げた。半面、シスコシステムズやナイキ、インテルは上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸し、前日比52.684ポイント高の1万6306.639(速報値)で終えた。