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2024/3/14 5:21 (2024/3/14 6:46 更新)
【NQNニューヨーク=矢内純一】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、前日比37ドル83セント(0.09%)高の3万9043ドル32セントで終えた。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの見方が支えとなり、相対的に出遅れていた景気敏感株の一角に買いが入った。一方、米長期金利の上昇が投資家心理の重荷となり、ダウ平均は次第に伸び悩んだ。
ダウ平均の上げ幅は200ドルに迫り、2月23日に付けた最高値(3万9131ドル)を上回る場面があった。前日発表の2月の消費者物価指数(CPI)を巡っては、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに動くとの市場の見方を変えるほどではないと受け止められた。米経済が軟着陸できるとの観測は根強く、景気敏感株の一部に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではスリーエムやキャタピラー、ナイキが上昇した。
市場では「13日は中小型株にも買いが広がっており、これまでのハイテク株中心から物色の裾野が広がっている」(ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのチャド・モーガンランダー氏)との声が聞かれた。
米債券市場では長期金利が上昇(債券価格が下落)し、前日終値(4.15%)を上回る4.1%台後半を中心に推移した。金利の上昇で株式の相対的な割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが出た。最近の相場上昇をけん引してきたエヌビディアの下げも市場心理を冷やした面があった。
14日には2月の卸売物価指数(PPI)と小売売上高の発表がある。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、今後の金融政策の判断にも影響する経済指標の内容を見極めたいとの雰囲気もあった。午後に入り主力株への売りが広がると、ダウ平均の下げ幅は一時60ドルほどに達した。
個別では、シェブロンとホーム・デポ、ゴールドマン・サックスが上昇した。半面、経営陣が低所得層の消費動向に懸念を示したマクドナルドが売られた。米国防総省が先端半導体の生産を目的とする補助金を取りやめたと伝わったインテルは4%安だった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比87.870ポイント(0.54%)安の1万6177.766で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたテスラが5%弱下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイスなど半導体株が全般に売られた。