バンブーズブログ

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《米中衝突回避》のための対話継続

[社説]米中は衝突回避へ対話継続を
 
 
#米中衝突 #社説
2024/4/10 2:00
 
イエレン米財務長官㊧は北京の人民大会堂で中国の李強首相と会談した(7日)=ロイター
イエレン米財務長官が4日から9日まで訪中し、中国の李強首相や何立峰副首相らと会談した。台湾問題などで決定的な衝突を避けるために、両国は対話の努力を続けるべきだ。

米中双方の説明によると、激しいやり取りもあった。李強氏が「両国は敵対関係でなくパートナーであるべきだ」と訴えたのに対し、イエレン氏は「厳しい会話」も避けずに意思疎通を続ける必要性を強調した。

バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は2日に電話で協議したばかりだ。安全保障だけでなく、経済をめぐっても対立する米中が、対話の枠組みを維持している点は評価したい。

中国にとって、絶対に譲れないのは台湾問題だ。

バイデン氏は習氏との電話協議で、台湾海峡の平和と安定を保つ必要があると訴えた。一方の習氏は「(台湾問題が)中米関係の第一の越えてはならないレッドラインだ」と述べ、米国が介入しないよう強くけん制した。

台湾では5月20日に「一つの中国」を認めない民主進歩党民進党)の頼清徳氏が総統に就任する。中国が台湾への圧力を強めるおそれがある。

最も警戒しなければならないのは、米中が互いに何を考えているのかがわからなくなり、相手への疑心暗鬼から偶発的な衝突が起きる事態だ。それを避けるために、意思疎通の機会をできるだけ増やしていく必要がある。

カギを握るのは経済だ。不動産不況が象徴するように、中国経済の苦境は出口が見えない。習氏は3月末、訪中した米国の経済関係者と会い「中国への投資を歓迎する」と呼びかけた。本音では米国の助けが欲しい表れだ。

イエレン氏は今回の訪中で、中国が電気自動車(EV)や太陽光パネルなどを過剰に生産している問題を話し合う枠組みをつくることに合意した。世界経済の安定のためにも、米中の活発な対話を期待したい。