中東懸念やハイテク株安で
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2024/4/19 11:50
19日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落し、午前終値は前日比1260円89銭(3.31%)安の3万6818円81銭だった。下げ幅は一時1300円を超えた。取引時間中としてはおよそ2カ月ぶりに心理的節目の3万7000円を下回った。前日の米ハイテク株安を受け、値がさの半導体関連株などに売りが膨らんだ。さらに日本時間午前、中東情勢に関する報道が伝わると、幅広い投資家によるリスク回避目的の売りが加速して株安に拍車がかかった。
中東の複数のメディアは19日午前、イラン領内の複数の場所で爆発があったと報じた。イスラエルによるミサイル攻撃とみられ、空港などの軍事施設のほか、核施設周辺で爆発があったとも伝わった。米ABCニュースによると、米当局者はイスラエルのミサイルがイラン領内に着弾したことを認めたという。中東情勢が一段と悪化するとの懸念が強まり、投資家心理が急速に悪化した。
前日の米ハイテク株安を受け、日経平均は朝方から軟調に推移していた。米経済指標の発表を受けて米景気は堅調に推移しているとの見方が改めて広がり、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が一段と後退した。米長期金利が上昇し、米ハイテク株には相対的な割高感を意識した売りが出たことから、19日の東京市場でも値がさの半導体関連株などに売りが波及した。18日に決算を発表した半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)の米預託証券(ADR)が下落したことも重荷だった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは74.38ポイント(2.78%)安の2603.07だった。JPXプライム150指数も反落し、34.60ポイント(2.99%)安の1123.63で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7513億円、売買高は10億8883万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1600。値上がりは47、横ばいは5だった。
東エレクやアドテスト、信越化、スクリンなど値がさの半導体関連株が大幅安。ソフトバンクグループ(SBG)やファストリ、ソニーGが下落した。トヨタやホンダ、SUBARUなど自動車株も売られた。一方、川崎汽や郵船、商船三井など海運株が高い。中東情勢の緊迫化による原油高を背景にINPEXも買われた。アステラスや花王が上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕