バンブーズブログ

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為替の安定で協調してほしい‼️

[社説]為替安定は国際協調と経済改革の両輪で
 
 
#社説 #オピニオン
2024/4/20 19:05
 
初開催の日米韓財務相会合では円安・ウォン安をけん制した(会合に臨む鈴木俊一財務相㊧ら、17日、米財務省)=AP
円相場がドルに対して34年ぶりの安値圏で推移している。米ワシントンで開いた一連の国際会議ではドル高への懸念が相次いだが、米利下げが遠のくなかで政策協調への道筋は見いだせなかった。

中東情勢の緊迫で市場は不安定になっている。各国は為替の安定に向けて協調の余地を探り続けてほしい。そのうえで日本は円安の痛みを抑え、メリットを生かせる経済構造の改革を急ぐべきだ。

17日の日米韓財務相会合は「円安・ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識する」との共同声明をまとめた。昨年の日米韓首脳会談で創設が決まり、初めて開いた。

日韓はともに輸入資源に頼り、通貨安への懸念も共有する。基軸通貨のドルを持つ米国を巻き込み、為替安定へのメッセージを出した意味は大きい。

主要7カ国(G7)の財務相中央銀行総裁会議も共同声明で、相場の過度な変動が「経済や金融の安定に悪影響を与えうる」とする従来の合意を改めて確認した。

市場の動向次第で2022年秋以来となる円買い・ドル売りの為替介入の実施も一つの手段となろう。日本は一連の会議で、その下準備を整えたともいえる。

介入でドル高・円安の流れを変えるのは難しい。米国のインフレが収束に向かわない限り、日米の金利差は縮まりにくいからだ。

18日閉幕した新興国を含む20カ国・地域(G20)の会議では、ドル高が新興国や低所得国のドル建て債務の負担を重くするとの声が出たが、議論は深まらなかった。

G20は政策の相互監視と調和という世界金融危機時の原点に立ち返り、協調を探るべきだ。国際通貨基金IMF)は米経済が強い一因を「長期的な持続可能性から外れた財政」とみる。

米財政の信認が低下すれば、世界の経済や市場が混乱しかねず、多国間で議論すべきだ。協調の試みは世界経済の耐性を高める。中東やウクライナの危機に結束して臨むことにも期待したい。

日本が為替の長期的な安定を実現するには、経済の体質改善が避けて通れない。

輸入化石燃料に過度に頼るエネルギーの調達構造を見直す。企業の国内回帰や海外の直接投資を強く促し、輸出産業の基盤を整える。こうした努力が実を結べば円という通貨への需要が回復し、円安の収束につながる。日本経済の復活へのサインにもなるはずだ。