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「中国、ロシアに武器売却せずと約束」マクロン氏ら会見


 
 
#中国・台湾 #国際 #ヨーロッパ
2024/5/7 6:28 (2024/5/7 12:56 更新)
 
中国の習近平国家主席㊧は「フランスとともにパリ五輪期間中の戦闘停止を呼びかける」と表明した(パリ、6日)=ロイター
【パリ=北松円香、北京=田島如生】フランスを訪問中の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は6日、中国がロシアに軍事転用可能な部品を輸出しているとの米欧の批判に反論した。マクロン仏大統領との会談後の記者会見で語った。

習氏はロシアのウクライナ侵略を巡り「平和のために積極的な役割を果たしてきた」と強調。対ロ支援を批判する米欧を念頭に「この危機に乗じ、第三国に責任をかぶせてイメージを悪化させ、新たな冷戦を引き起こすことに反対する」と発言した。

マクロン氏は会見で中国がロシアに武器を売らないことや、軍事転用が可能な材料の輸出を厳しく管理することを約束したと明らかにした。「約束を前向きに受け止める」とも述べた。

今回の両首脳の会談では、農産物や航空、人工知能(AI)など幅広い分野の政府間合意や企業間の契約などがまとまった。この日発表した合意事項や覚書、共同声明は37にのぼる。

仏企業アルストム北京市湖北省武漢市、安徽省合肥市の地下鉄向け電気システムを受注した。仏企業スエズは汚泥処理に関するシステムを広東省東莞市から受注した。仏AFP通信によると1億ユーロ(約165億円)近い契約だという。

習氏は中国に短期滞在する仏観光客についてのビザの免除措置を、2025年末まで延長するとも発表した。中仏の企業家を集めた会合で演説し、フランス産のチーズやハム、ワインの輸入拡大に意欲を示した。仏企業に対中投資の拡大を呼びかけた。

中仏の間でくすぶっていた「コニャック問題」への懸念も、首脳会談でいったん後退したようだ。中国はフランスが輸出するコニャックに競争法違反の疑いがあるとして調査を進めていた。

コニャックに関する中国の動きは欧州連合EU)による中国製EV(電気自動車)の補助金調査の報復だとみられている。仏側はコニャックに高額な関税がかけられるとの懸念を強めていた。

仏大統領府の高官は両首脳の声明発表後、記者団に対し「関税は当面回避された」と明らかにした。仏メディアによるとマクロン氏はこの日、習氏にコニャックを贈ったという。

一方、習氏は「フランスとともに(今年夏の)パリ五輪期間中の全世界における戦闘停止を呼びかける」と表明した。マクロン氏との会談後の共同記者会見で語った。

AFPは仏外交筋の見方として、五輪期間中の戦闘停止がより長期的な休戦などに向けた「政治的なプロセスのきっかけになりうる」と伝えた。