バンブーズブログ

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日本とドイツ、経済安保軸に協力 初の政府間協議


 
両首相と閣僚6人ずつ参加「関係、新たな段階に」
#G7広島サミット #ヨーロッパ #政治
2023/3/18 5:30 (2023/3/18 23:30 更新)
共同記者会見を終え握手する岸田首相とドイツのショルツ首相(18日、首相官邸
日本とドイツは18日、首相と外務、財務、防衛など双方の6閣僚による政府間協議を初めて開いた。経済安全保障を軸に意見を交わし、共同声明を出した。重要物資の脱中国依存といったサプライチェーン(供給網)の強化やサイバー攻撃からの防御などで協力を深める狙いがある。

ショルツ首相は協議後の共同記者会見で、日独関係が「新たなステージに引き上げられた」と評価した。協議でエネルギーやデジタル、経済安保などの分野を挙げて日独が緊密に協力していると触れた。

岸田文雄首相も「緊密な日独関係を新たな高みに引き上げるものだ」と強調した。経済安保は主要7カ国(G7)の「優先課題の一つ」と指摘した。「同盟国、同志国と連携し取り組むことが不可欠だ」と呼びかけた。

日独経済関係者との意見交換を前に記念写真に納まる岸田首相とドイツのショルツ首相(前列左から3人目)ら(18日、首相官邸
ショルツ氏らは18日に来日した。首相公邸での首脳会談に続けて、首相官邸で政府間協議に臨んだ。日本側から林芳正外相や高市早苗経済安保相ら、ドイツ側はベーアボック外相やリントナー財務相らが加わった。

一連の両首相を含む議論は計3時間ほどに及んだ。ロシアのウクライナ侵攻を巡り、厳しい対ロ制裁とウクライナ支援の継続で一致した。核の威嚇や使用に反対する立場を共有した。国連改革などでの協調方針も確かめた。

両国は重要物資の中国への過度な依存の是正を目指す立場で共通する。鉱物資源や半導体、電池などの戦略物資を巡る協力を擦り合わせた。重要インフラの防護や新興技術の保護での連携も合意した。

ショルツ氏は記者会見で「ウクライナ侵攻で特定の国や地域に依存が強すぎると基幹産業が影響を受けると痛感した」と話した。岸田首相は「特に鉱物や重要技術のサプライチェーンを同志国と維持するのが大変重要なポイントになる」と語った。

日独経済関係者との意見交換に臨む岸田首相とドイツのショルツ首相(手前右)=18日、首相官邸
日独は世界第3、4位の経済大国で製造業が盛んだ。ともに中国が最大の貿易相手で、電気自動車(EV)用モーターなどに使うレアアースを中国に頼ってきた。

「自由で開かれたインド太平洋」の実現も申し合わせた。経済的威圧や国家主導の不正な技術獲得の動きへの対抗を確認した。中国を念頭に不公正な開発金融への懸念を共有し、全ての関係者が国際的なルールを守ることも求めた。

安保面ではショルツ氏がドイツ軍艦船を再び日本に寄港させることに言及した。共同声明に2国間のサイバー協議を毎年開くと記載した。

今回の協議は5月19〜21日に広島市で開くG7首脳会議(サミット)に向けた調整の意義もある。日本は2022年のドイツから引き継いでG7議長国を務める。

ドイツは複数の国と首脳と閣僚らの政府間協議を設けてきた。アジアでは中国やインドで実績がある。日独での立ち上げは岸田首相とショルツ氏が22年4月の会談で合意していた。

政府間協議にあわせて日独は18日、外相、財務相、防衛相らの会談も個別に開いた。

日独両国は21年に外務・防衛担当閣僚協議(2プラス