バンブーズブログ

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台湾総統が米国へ出発 中国「断固反対」、米と電話協議


 
#中国・台湾
2023/3/29 18:31
米国への出発前に談話を発表する台湾の蔡英文総統(29日、北部の桃園空港)=総統府提供
台北=龍元秀明】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は29日、中米諸国歴訪の経由地となる米国へ出発した。同氏の訪米はほぼ4年ぶり。出発前の談話で「自由と民主主義の価値を守る決意を示す」と述べ、米国との連携強化の姿勢を鮮明にした。訪米に反対する中国は同日、対抗措置をとる考えを示した。

台湾当局は出発時にも蔡氏の米国での予定を公表しなかった。中国の反発に配慮した。

まずニューヨークに29日午後、到着する予定だ。米シンクタンク、ハドソン研究所に招かれ、講演するとみられる。グアテマラベリーズの中米2カ国訪問からの帰途、4月5〜6日(台湾時間)に訪れる米西部ロサンゼルス近郊では、マッカーシー米下院議長と会談する方向で調整が進む。

中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は29日、蔡氏が「台湾独立の主張を国際的に売り込む機会をうかがい、米国の反中勢力の支持を得ようとしている」と述べた。

朱氏は、蔡氏がマッカーシー氏と会談すれば「台湾海峡の平和と安定を壊す挑発行為となる」と述べ、「我々は断固反対し、必ず断固とした反撃をする」と強調した。


米中は水面下で駆け引きを展開する。米ブルームバーグ通信は28日、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国外交担当トップの王毅(ワン・イー)氏が24日に電話協議したと報じた。蔡氏の訪米が米中対立のエスカレーションにつながらないよう議論した可能性がある。

国家安全保障会議NSC)のカービー戦略広報調整官は21日、蔡氏の訪米について「中国が過剰反応する理由はない。以前にもあり、個人的で非公式なものだ」と述べた。28日には記者団に、米政府当局者が蔡氏と会談する予定はないと説明した。

中国もジレンマを抱える。蔡氏の訪米に過度に反発すれば、台湾の対中感情を悪化させかねないためだ。その場合、2024年1月の次期総統選に向け、対中強硬路線の与党・民主進歩党民進党)を後押しする形になり、中国が目指す台湾との統一のハードルを上げることになる。