バンブーズブログ

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どこかで生きていて‼️息子らの帰り待つ父 知床観光船事故1年


4/23(日) 8:06

 




観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が出航したウトロ港から、荒れた海を見詰める男性。乗船していた元妻と息子が行方不明となっている=22日午後、北海道斜里町
 北海道・知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故から23日で1年。

【写真】「KAZU Ⅰ(カズワン)」に乗船していた家族の写真を見詰める男性
 乗船していた元妻=当時(42)=と息子=同(7)=が行方不明となっている道内の男性(50)は「どこかで生きていてほしい。まだ現実を受け入れられない」と吐露し、帰りを待ち続けている。

 昨年4月23日、旅行で知床を訪れていた2人。男性と元妻は乗船直前までスマートフォンでメッセージをやりとりし、港でピースサインする息子の写真が最後の連絡だった。今も見つかっていない状況に「苦しくて、気持ちにふたをしている。現実を見ないようにする気持ちがより強くなっている」と声を詰まらせる。

 息子は今年4月、小学3年に「進級」。小学校の先生と相談し、籍を残した。「生存の可能性が厳しいのは分かるが、どうしても受け入れられない」と話し、「どこか違う場所で生きていてほしい」と願っている。海上保安庁などによる捜索が続くが、「骨や遺体で見つかった時に受け入れられるのか。複雑な思いだ」と打ち明ける。

 事故後、男性は2人が出てくる夢を記録し続けている。最近は、息子の手を握りながら寝そべる夢や旅行の計画を立てる夢を見たといい、「夢でさえもいとおしい」と涙を浮かべる。

 事故に対し「まだ誰も何の責任も取っていない」と憤りも覚える。運航会社のずさんな安全管理に加え、検査機関の体制不備が明らかになり、「国の責任もかなり大きい。過ちを認めて」と訴える。

 海保の救助体制にも疑問を持つ。海保のヘリが現場に到着したのは、最初の通報から約3時間後。「もっと早く救助に向かえていたら助かる命があったかもしれない。行方不明者も出なかったかもしれない」と悔やむ。

 事故から時間がたつにつれ、関連報道が減っていることも懸念している。「事故を風化させたくない。運航会社にも国にも責任がある。それを知ってほしい」と話した。