バンブーズブログ

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認知症薬、認知機能の低下を1年半で35%遅らせる効果

米イーライ・リリーの認知症薬、病気の進行抑制に効果
 
 
#北米 #ヘルスケア
2023/5/4 2:00 (2023/5/4 5:12 更新)
米イーライ・リリーは日本でも年内に認知症薬の承認申請をする=ロイター
【ニューヨーク=吉田圭織】米医薬品大手イーライ・リリーは3日、開発中のアルツハイマー病薬「ドナネマブ」について、症状の悪化スピードを遅らせる効果があったことを臨床試験(治験)で証明できたと発表した。6月末までに米食品医薬品局(FDA)に承認に向けた申請をする。

イーライ・リリーの発表によると、アルツハイマー病初期段階の患者1182人を対象とした治験で、効果のない偽の薬(プラセボ)を投与した患者に比べて、認知機能の低下を1年半で35%遅らせる効果があった。同社の広報担当によると、年内に日本でも承認申請をし、2024年にも結果が出ることを予想している。

発表を受けて3日の米株式市場ではイーライ・リリー株は一時5%上昇した。

同社の「ドナネマブ」については、薬を少なくとも12カ月使った患者の臨床試験(治験)データが不十分だったとしてFDAが2023年1月に迅速承認プロセスを却下した経緯がある。今回の治験で十分な人数分のデータが集まったとされる。

認知症薬をめぐる競争は激化している。1月にはエーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」がFDAの迅速承認プロセスを経て承認された。両社の治療薬は症状の進行を27%抑える効果があった。

一方で、アルツハイマー薬をめぐっては副作用も懸念されている。エーザイと米バイオジェンの「レカネマブ」の治験では患者の約13%に脳の腫れ、約17%に脳出血の副作用が見られた。それに対し、イーライ・リリーの「ドナネマブ」は患者の約24%に脳の腫れ、31.4%に脳出血が見られた。