バンブーズブログ

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中国の核増強「不透明」 G7首脳、共同文書で懸念表明

 

 

 
ロシアに不使用要求
#ウクライナ侵攻 #G7広島サミット #政治
2023/5/19 19:12 (2023/5/20 4:02 更新)
原爆慰霊碑への献花を終え、記念写真に納まる岸田首相(中央)とバイデン米大統領(右隣)ら各国首脳(19日午後、広島市平和記念公園
【この記事のポイント】
・中国念頭に核戦力データの公表を要求
台湾海峡の平和と安定の重要性も確認
・ロシアへは「核の威嚇・使用許されず」
主要7カ国(G7)首脳は19日、広島県廿日市市の宮島で核軍縮について協議し共同文書「広島ビジョン」をまとめた。中国について「透明性を欠く核戦力の増強は世界と地域の安定にとって懸念」だと指摘した。名指しを避けつつ核戦力データの開示を求めた。

 


民生用を装った軍事用プルトニウムの生産にも反対を表明した。高速増殖炉建設を計画する中国が念頭にある。

ウクライナを侵攻するロシアへは「核の威嚇やいかなる使用も許されない」と強調した。北朝鮮には核実験や弾道ミサイル発射の自制を求めた。

G7が「安全が損なわれない形での核のない世界の実現」に関与すると確認し、核抑止と核軍縮の両立を探る方向性を示した。岸田文雄首相が提唱した核兵器数減少などからなる「ヒロシマ・アクション・プラン」に歓迎を表明した。

G7首脳はインド太平洋情勢も話し合い、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。中国には共通の懸念を直接伝え責任ある行動を求めると申し合わせた。

国際的な課題では中国と協力し「対話を通じ建設的かつ安定的な関係を構築する」のが重要という認識でも一致した。

協議に先立ち、G7首脳会議(サミット)は議長を務める首相が広島市平和記念公園で各国首脳を出迎えて開幕した。G7首脳は平和記念資料館(広島原爆資料館)を初めてそろって視察し、慰霊碑に献花した。

被爆者の小倉桂子さんから話を聞き、核の惨禍をみつめたうえで討議に入った。

バイデン米大統領は米国の現職大統領としてはオバマ氏に続く2人目の訪問となった。核を持つ英国の首相とフランスの大統領が訪れるのも初めてだった。

広島を地元とする首相には核保有国の首脳に原爆被害の実相を伝える狙いがあった。

日本は核兵器を持つ国と持たない国の「橋渡し役」をめざす。非保有国は保有国の軍縮が進んでいないと批判する。保有を5カ国に限る核拡散防止条約(NPT)に加わらずに核を持つ国も増えた。サミットに招待したインドはその一つだ。

中国やロシアのほかブラジル、南アフリカといった新興国も加わる20カ国・地域(G20)は議長国のインドが9月に首脳会議を開く。G7が打ち出す方向性をG20につなげられるかはインドに左右される。

首相は21日、G7枠外の招待国首脳を連れて再び原爆資料館を訪れる。そのなかにはインドのモディ首相もいる