原子力発電所の再稼働とは 震災で一時全停止
きょうのことば
#経済
2023/6/29 2:00
▼原子力発電所の再稼働 岸田文雄政権は脱炭素と電力安定供給の両立に向けて、新しい規制基準の下で原子力発電所の再稼働を打ち出した。政府は2030年度の電源構成に占める原発比率を20〜22%に増やす目標をかかげる。足元は約6%にとどまる。
11年の東京電力福島第1原発事故を受け、国内のすべての原発は一時停止した。再稼働は緩やかに進むものの、23年5月末時点では10基（定期検査で一時停止中の1基含む）だけだ。政府の原子力規制委員会の審査に合格し、地元自治体の同意を待つなどしているのが7基、規制委の審査が続くのが10基ある。
ウクライナ危機後に電力需給は逼迫し、22年の夏は全国に節電要請を出した。23年夏も火力に頼る東電管内では、電力の供給余力を示す予備率が最低限必要な3%に近づく可能性がある。5月に成立したGX（グリーントランスフォーメーション）脱炭素電源法は、原発を60年の期間を超えて運転できる内容を盛り込み、原発を活用する方針を打ち出した。
