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2023/7/26 5:17 (2023/7/26 6:10 更新)
【ニューヨーク=斉藤雄太】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が12営業日連続で上昇した。12連騰は2017年2月以来、6年5カ月ぶり。本格化している米企業の23年4〜6月期決算で市場予想を上回るケースが相次ぎ、米景気が急激な落ち込みを回避する軟着陸を期待した投資家の買いが続いている。
ダウ平均の終値は前日比26ドル(0.1%)高の3万5438ドルと22年2月以来、1年5カ月ぶりの高水準になった。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は0.6%高で終えた。
この日発表の4〜6月期決算で1株利益(EPS)が市場予想を上回り、通期のEPS予想も引き上げた工業製品・事務用品スリーエム(3M)の株価は5%高。ダウ平均採用銘柄で上昇率トップになった。
ゼネラル・エレクトリック(GE)も4〜6月期のEPSが予想を超え、株価は6%高と急伸した。米原油先物相場が3カ月ぶり高値圏まで上昇し、需要拡大への期待から建設機械のキャタピラー株も1%上昇した。
25日の取引終了後に決算発表を控えていたマイクロソフト株は2%高だった。4〜6月期のEPSは予想を上回ったが、これまでの株価高騰の反動もあり、決算発表後の時間外取引では下落する場面もあった。
市場参加者は26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定に注目する。2会合ぶりとなる0.25%の利上げ実施が確実視され、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げにどの程度意欲を示すかが焦点だ。25日は結果を見極めようと積極的な買いを控える動きもみられた。
市場ではインフレの鈍化傾向を受け、FRBが7月を最後に利上げを止めるとの見方が根強い。米資産運用会社オールスプリング・グローバル・インベストメンツのブライアント・ヴァンクロンカイト氏は「失業率は低水準のままでインフレも沈静化し、米景気の軟着陸の可能性が高まってきたことが株高の背景にある」と話した。