中国の海外旅行者とは コロナ前は年1.5億人
きょうのことば
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2023/8/11 2:00
▼中国の海外旅行者 中国では鄧小平氏の主導による「改革開放」政策が始まった1978年以降、対外開放が進展。それ以前は厳格に管理されていた海外旅行が本格化したとされる。当時は返還前の香港などに親族を訪ねる人が多かったという。
旅行客が急激に増えたのは2010年代に入ってからだ。高い経済成長率が続くなか、中国人の所得水準が徐々に向上。旅行や映画といったサービスにお金を使う余裕が生まれた。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる直前まで、海外旅行に出かける人は増加の一途をたどった。中国文化観光省によると、19年は延べ1億5463万人と、12年比1.9倍に増えた。日本でも家電や化粧品を大量に買い込む現象が起きるなど、旅先での経済効果も話題となった。
ただコロナの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策で転機を迎えた。中国政府が海外への団体旅行を禁止。入国者には厳格な隔離を求めたことで、海外旅行需要は消滅した。ゼロコロナ政策の終了後も、団体旅行の行き先の制限などが障壁となり回復は鈍い。中国民用航空局によると、今年1〜6月の中国の航空会社の国際線旅客数は836万人で、19年同期比で4分の1以下にとどまった。
