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愛子さま、皇室会議選挙で“初めての一票”

 女性天皇誕生の機運高まるなか、運命を拓く機会に
 
配信 2023年8月18日 07:15更新 2023年8月19日 08:08
NEWSポストセブン

 皇族数確保のための議論が宙に浮いている現在、未婚の女性皇族の置かれている立場は極めて不安定であり、愛子さまにおいても例外ではない。

 来春、大学をご卒業したあかつきには、ますます成年皇族としてのご活動が期待されるだろう愛子さまの将来を左右する選挙が開催される──。

 現在、学習院大学文学部に籍を置かれている天皇家の長女・愛子さまは、大学生活最後の夏を卒業論文のご執筆に捧げられているようだ。

 8月4日、愛子さまはお忍びで、東京国立博物館(東京・上野)に足を運ばれた。目的は、6日まで開催されていた「藤原定家―『明月記』とその書―」という企画展だ。

 


 定家は、平安時代末期から鎌倉時代初期を代表する公家・歌人で、80巻近く現存する日記「明月記」を書き残したほか、小倉百人一首の選者としても知られている。また “悪筆”でも有名で、一見するとヘタウマな彼の文字は「定家様」と呼ばれ、のちに江戸時代の習字の流派の1つとなった。

愛子さまは、一般客に気を使われたのか閉館の直前に博物館に入られ、定家直筆のさまざまな書を熱心にご覧になったそうです。昨年12月には、天皇陛下とおふたりで、五島美術館(東京・世田谷区)を訪れ、定家に影響を与えたとされる歌人西行の展示をご覧になっていますから、卒論では平安末期から鎌倉初期にかけての文学や詩歌をテーマとして扱われるのかもしれません」(宮内庁関係者)

 夏休みのさなかも、学業に熱心に取り組まれる愛子さま。一方で、成年皇族としての責務も広がりを見せている。

 愛子さまはこの夏、両陛下と那須御用邸で静養される予定だ。御用邸でのご静養は、愛子さまが成人されてから初となる。

「8月上旬に調整していた須崎御用邸でのご静養は実現しませんでした。学業に専念したいという愛子さまのご事情があったそうです。お出ましの機会は限られており、このたびのご静養で愛子さまのお姿が見られることに国民の期待も高まっているでしょう。愛子さまはそうした思いをくまれ、成年皇族として一皮むけた振る舞いをされるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)

 ご静養から戻られて息つく間もなく、愛子さまが重要な責務を果たされることが明らかになった。9月7日、「皇室会議」に出席する皇族議員を選ぶ選挙で、初めて一票を投じられるという。

「4年に1度、陛下と上皇さまを除く成年皇族のなかから2名が議員に、2名が予備議員に選ばれます。投票は、皇族方それぞれがふさわしいと思われる4名の名前を記入する互選形式。選挙権のない皇族方にとって、唯一の選挙の機会ともいえます」(前出・宮内庁関係者)

 現在の皇族議員は、秋篠宮さまと常陸宮家の華子さまが務められ、予備議員を紀子さま三笠宮家の百合子さまが務められている。皇室会議は、皇室典範に則り、皇室に関する重要な事項を決める会議で、皇族議員2名、および内閣総理大臣宮内庁長官最高裁判所長官などが出席する。前回は2017年12月に開催され、当時の天皇陛下(現在の上皇さま)の退位の日程が話し合われた。

「皇族と三権の長らが一堂に会する会議はほかにありませんから、国内で最高位の会議といえるでしょう。審議事項は基本的に『皇位継承の順序変更』『立后と皇族男子のご婚姻』『皇族の身分の離脱』『摂政の設置・廃止』『摂政の順序の変更』の5点です。会議は、過半数の賛成をもって可決となりますが、過去に議案が否決された例はありません」(前出・宮内庁関係者)

 次に皇室会議が開かれるのはいつになるのか。女性皇族のお立場が流動的な現状を鑑みると、そう遠い未来ではないかもしれない。

 

◆単独の皇籍離脱も可決されれば可能

 皇族数の確保は喫緊の課題であり、2022年1月には政府の有識者会議によってまとめられた「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」などについての最終報告書が、岸田文雄首相によって衆参両院議長に提出された。ところが、今日に至るまで議論は遅々として進んでいない。

「現行の皇室典範では、女性皇族は結婚した場合、皇籍を離脱して民間人になると定められていますが、それが変更される可能性が大いにあるのです。愛子さまをはじめとした女性皇族方のご結婚前に、この議論は可及的速やかに決着させる必要があります」(皇室関係者)

 


 注目されているのは「女性宮家」の創設だ。「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」に関連するもので、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保ち、当主として独自の宮家を創設するという制度である。

 2022年3月、成年に際する会見で、ご両親にお伝えになりたいことを問われた愛子さまが《これからも長く一緒に時間を過ごせますように》と述べられたことからは、皇族として長く両陛下をお支えしたいという強い思いが見受けられる。仮に女性宮家制度が確立されれば、愛子さまのご結婚に際しても、皇室会議が開かれることになりそうだ。

美智子さま雅子さまは、皇室会議での審議を経て皇室に入られました。会議では、宮内庁長官が交際の経緯やお家柄、ご経歴、お人柄などを説明し、参加者からの可決を得たそうです。愛子さまの宮家が誕生し、一般男性を皇族として迎え入れることになるなら、“皇族女子のご婚姻”も会議での承認が求められることになるでしょう」(前出・皇室関係者)

 前述の最終報告書では、悠仁さまの代までは皇位継承順位を「ゆるがせにしてはならない」とされている。しかし、依然として「愛子天皇」を待ち望む声は大きい。

「国民の8割以上が女性天皇の実現を望んでいるという世論調査もあります。今後、愛子さまが大学をご卒業され、国内外を問わず公務でご活躍される姿が国民の目に留まれば、ますます期待は高まり、世論が国を動かす可能性も否定はできません」(前出・皇室関係者)

 愛子さま天皇になられることは「皇位継承の順序変更」に関連するので、皇室会議に諮られる議題である。

「ハードルは決して低くはありませんが、女性天皇誕生の機運は高まるばかりです。皇室会議は、愛子さま女性天皇となる運命を拓く機会になるかもしれません」(別の宮内庁関係者)

 一方で、制度上は、結婚を経ずに単身で皇籍離脱をすることも可能だ。

「『皇族の身分の離脱』という審議事項に則り、皇室会議で承認を得れば皇室から出ることが可能です。過去には三笠宮家の寛仁さまがこの制度に則って皇籍離脱を試みたことがあります。その際は、昭和天皇の説得を受け、皇室会議の開催にまでは至りませんでした」(皇室記者)

 現在は「学業優先」を掲げられ、勉学に励まれている愛子さまだが、今後ますます成年皇族として、また、女性皇族としての責任は重くなっていくだろう。投じられる初めての一票には、ご自身の将来もかかっている──。