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2023/9/15 2:00
米アップルが発表した「iPhone」の新モデル
米アップルがスマートフォン「iPhone」の新製品を発表した。スマホ市場が成熟するなか、新モデルを発売して買い替え需要を喚起する狙いだ。ただ、足元では課題が目立ち始めている。
アップルのスマホには、ソニーグループといった日本の大手企業の電子部品が使われる。アプリ配信ではスタートアップやコンテンツ企業などが収益を依存する。アップルの主力製品の販売動向は世界の株式市場への影響も大きい。iPhoneが抱えるリスクを認識する必要がある。
新製品は搭載する半導体を刷新して処理能力を高めた。カメラ機能を強化し、充電などに使う端子を独自の規格から他社も採用する規格に変更した。
アップルは16年前に創業者の故スティーブ・ジョブズ氏が初代iPhoneを発表して巨大なスマホ市場を創出した。ただ、ここ数年の機種は目を見張る革新に乏しい。ジョブズ氏から経営を引き継いだティム・クック体制下でのイノベーション力の低下がはっきりしてきた。
こうしたなか先週には、中国政府がiPhoneなど海外企業のスマホを政府職員が職場で利用することを禁じたとの報道を受けてアップル株が急落した。
アップルにとって中国は米国などに次ぐ重要な市場だ。スマホの生産拠点も多い。影響が広がらないかどうか注視する必要がある。
その中国では、華為技術（ファーウェイ）が高性能スマホを発売した。米規制で高速通信規格「5G」に対応するスマホの生産が困難になっていたが、自社開発の半導体で課題を克服したとも指摘される。同国でiPhoneのシェアが奪われる懸念もある。
アップルはインド市場などを開拓しており、生産拠点の分散も進める。こうした取り組みで中国への依存度を下げることが急務だ。これまでiPhoneに関連して稼いできた企業もリスクに目を凝らし、過度なアップル依存を改める必要がある
