バンブーズブログ

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長生きしたいなら食事、運動よりずっと重要…ステージ4の盲腸がんから

長生きしたいなら食事、運動よりずっと重要…ステージ4の盲腸がんから劇的寛解した女性が実践したこと
 
2023年11月2日 08:00
PRESIDENT Online

全米で23万部のベストセラー本を著したがん研究者ケリー・ターナー氏は、がんが劇的に寛解した1500以上の症例を分析。世界中の数百人ものがんサバイバーたちにインタビューした結果、奇跡的な回復を遂げた患者たちには、ある共通点があることがわかった。そのうちの一つが、「抑圧された感情を解放すること」だった――。
※本稿は、ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。


ストレスや怖れを解放すると治癒能力は高まる
ストレスは、がん細胞を発見して体外に排出する役割を担う免疫システムを弱めることが、研究によって繰り返し証明されています。ストレスは免疫細胞だけでなく、体内のあらゆる細胞に悪影響をおよぼします。

 
幸いなことに、ストレスや怒り、怖れなどの感情を解放すると免疫システムが強化されることが何百もの研究により示されています。したがって、健康上の危機の際にストレスを制御する方法を見つけることは、劇的寛解者にとって不可欠なステップになるのです。

ストレスと同様に、怖れもまた、免疫システムを弱めたり、「硬直」させたりする感情の一つです。がん診断の重大さを考えると、劇的寛解を果たした人たちの間で、怖れが最も抑圧される感情の一つなのは驚くことではありません。とくに死への怖れは、がんと診断された瞬間から、患者に迫ってきます。

怖れに向き合うことは必ずしも簡単なことではありません。療法士や劇的寛解者たちは、怖れを抱き続けると身体が「締め付けられる」ようになり、エネルギーが滞る一方で、怖れは身体のバランスを取り戻すのに役立つという点で一致しています。

ストレスや怖れといった感情を十分に感じ、それを完全に解放することで身体はリラックスし、免疫システムの治癒能力が高まります。劇的寛解者の多くは、それを滝の下に立っているようなものだとたとえます。

感情というものは、状況に応じて降りかかってきますが、やがてそれは流れ出てあなたから去っていきます。もしあなたがいつも「感情の滝」の下に立っているとしたら、それは人生とそのすべての感情を最大限に感じながら、どんな感情的な荷物も溜め込まないということを意味します。そうすることで、過去にとらわれずに、今この瞬間にどんな感情も経験することができるようになるのです。


 
怖れは免疫システムを抑制してしまう
ここ数年、抑圧された感情を解放することの価値が、私たちの集団意識の最前線に浮上してきました。自分の感情についてほかの人と話し合ったり、そうした感情とうまく付き合う新しい方法を見つけることが、ますます受け入れられるようになってきています。

近年、注目を集めているのは、恐怖やトラウマに対するより深い理解、自己愛の重要性、そして未解決のトラウマから救うためのツールとして、身体を軽く叩くタッピングと、EMDR(眼球運動による脱感作・再処理法)の二つが出現したことです。

怖れを感じるたびに、自己治癒力のメカニズムがオフになります。怖れのようなストレスの多い感情は、体内でストレス反応を引き起こし、闘争・逃走モードに入り、免疫システムを抑制してしまいます。私の友人で同僚のリサ・ランキン医学博士は、ニューヨークタイムズのベストセラー『Mind Over Medicine』と『The Fear Cure』の著者ですが、病気における怖れの役割について話すことをためらいません。

「健康で長生きしたいのであれば、何を食べるか、運動するかどうか、ビタミンをどれだけ摂るか、悪い習慣をどれだけ持っているかよりも、怖れに対処することのほうが間違いなく重要です。多くの病気の根源に、抑制されていない怖れがある可能性を示唆するのは極端だとは理解しています。

これらの病気に生化学的な原因がないと言っているわけではありませんが、怖れは生化学的に有害な影響を受けやすくして、身体の自然な自己回復のメカニズムを不活性化させることを示唆しているのです。

 
さらに重要なのは、これについてあなたには何かできることがあるという点です。怖れと正しい関係を築くには、怖れと仲よくなり、怖れに関心を持ち、全身を乗っ取られることなく怖れに耳を傾ける必要があります。

そして、怖れている部分を落ち着かせることで、ストレスホルモンが消散され、癒やしホルモンである親密さの生化学的スープが劇的寛解を可能にするためのホルモンの舞台を整えるのです」


※写真はイメージです 写真=iStock.com/FatCamera
劇的寛解者が治癒の過程で直面する二つの怖れ
ランキン博士は、ほかの多くの療法士や劇的寛解者たちと同様に、人生の試練を学びの機会と捉える意欲があれば、怖れを手放し、さらなる好奇心と自己理解に向かって進むことができると示唆しています。劇的寛解を果たした人たちが、治癒の過程で直面する二つの具体的な怖れは、検査や診察のたびに感じる「結果を聞くまでの不安」と「死への恐怖」です。

どちらの怖れも現実のものであり、もっともなものです。しかし、それらによって立ちすくむ必要はありません。むしろ、そうした怖れを受け入れ、その支配をゆるめる方法を見つければいいのです。ランキン博士の怖れに対する「処方箋」の一つは、瞑想です。

瞑想などによって怖れの声から距離を置くことができれば、とても静かで平安な場所を見つけることができます。この絶対的な静寂の場にアクセスするには今この瞬間にいる必要があり、この静寂な場所には怖れは存在しません。この意識状態にあるときは、自分の死さえ怖くありません。

 
怖れは私たちの免疫システムを抑制するかもしれませんが、瞑想などの実践によってそれを分散させることができます。私たちは怖れの犠牲者になる必要はなく、あらゆる治癒のプロセスの自然な一部として怖れを受け入れ、うまく対処することができるのです。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)は、抑圧された感情を解放するための効果的な戦略です。私は、MBSRが健康を改善する無数の方法を理解するという点で、研究が進歩し続けていることを報告できるのをうれしく思います。

たとえば、乳がん患者を対象とした最近の研究では、6週間のMBSRコースを受講すると、テロメアの長さと活動が大幅に増加することがわかりました。テロメアは、靴ひもの端にある小さなプラスチックのキャップがほつれないようにするのと同じように、DNAの末端を保護するものです。

年齢を重ねると、細胞内のDNAがコピーされて新しい細胞がつくられるたびに、テロメアは自然に短くなっていきます。テロメアが短くなればなるほど細胞は「古く」なり、その結果、老いを感じ、病気のリスクも高くなるのです。この研究に参加した乳がん患者は、MBSRのよく知られた心理的効果(抑うつ、不安、がん再発への怖れの軽減など)を享受しただけでなく、テロメアの長さと活動の増加によって細胞の健康状態も改善されました(※1)。


トラウマは慢性疾患のリスクを高める
科学者たちは、怖れが免疫システムに与える影響を理解するだけでなく、大人になってからの身体的健康への影響を含めて、幼少期の有害な経験の長期的な影響についても理解しはじめています(※2)。

 
幼少期にストレスの多い経験をすると、ストレスに対する初期の反応が高まり、これまで述べてきたように、免疫機能を抑制するため、その後の人生で慢性疾患にかかるリスクが高くなります(※3)。

近年の#MeToo運動のおかげで、私たちは、過去のトラウマや暴行に起因する抑圧された感情の影響の深刻さを認識する、極めて重要な時期にいます。

性的暴行を受けた人の50%が生涯に心的外傷後ストレス障害PTSD)を経験します(※4)。女性の5人に1人が一生のうちに一度はレイプされる(※5)という事実を考えると、多くのがん患者にとって性的虐待が抑圧された感情の根源にあるというのは理にかなっています。

このようなトラウマを経験したがん患者に#MeToo運動が与え続けている影響は、こうしたトラウマにまつわる長年の感情を声に出して解放することの重要性を、社会がようやく認識したことです。それによって、患者が自分の感情を処理するために必要な支援を受けられるようになりました。

EMDR(眼球運動による脱感作・再処理)は、過去のトラウマを解放するのに非常に役立つことが示されている新しい治療法です。


自分を愛することは、人生に奇跡をもたらす
近年、雑誌を見ても、ポッドキャストを聞いても、ソーシャルメディアをスクロールしても、自己愛の重要性について語っている人に出くわす確率が高いでしょう。自分を愛するという概念は、何十年も前からあり、多くの人が自助啓発運動の創始者とみなしているルイーズ・ヘイによってはじめられました。