運転手の残業規制、上限超えの企業29%
きょうのことば
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2023/12/22 2:00
▼2024年問題 働き方改革関連法が施行され、トラック運転手の時間外労働に年間960時間の上限が課せられる。人手不足が慢性化している物流各社が十分な運転手を確保できず、安定的な長距離輸送が困難になるとの懸念があり、「2024年問題」と呼ばれている。同法が2019年に施行された際にトラック運送業への適用が特例で猶予されていたが、24年3月末で終了する。
全日本トラック協会の調査では、22年10月時点で時間外労働が960時間を超える運転手がいると回答した企業は29.1%に達した。野村総合研究所の試算ではこのままの状態では24年問題の影響で、25年に全国の荷物の28%、30年には35%を運べなくなる可能性がある。このため物流各社は、配送方法の見直しや荷下ろし作業の効率化、運転手の負担軽減などの対応が急務となっている。
政府は10月に物流の効率化や商慣行の見直しなどを柱とする緊急対策をまとめ、一連の施策により24年度に見込まれる14万人の運転手不足解消をめざす考えだ。ただ日本の物流業界はトラック事業者の99%を中小企業が占めており、政府の対策が想定通りの効果につながるかは見通せない。