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[欧州経済]、景気低迷続く 23年10〜12月GDP年率0.1%増

【欧州経済】、景気低迷続く 23年10〜12月GDP年率0.1%増
 
 
#ヨーロッパ #国際 #経済
2024/1/31 2:00
 
ドイツの景気低迷が欧州経済の足を引っ張る(ベルリン)=ロイター
【ベルリン=南毅郎】欧州連合EU)加盟27カ国のうち20カ国が参加するユーロ圏の2023年10〜12月期の実質域内総生産(GDP)は、速報値で前期比ゼロ%と横ばいだった。成長率は年率換算でプラス0.1%と低迷した。欧州最大のドイツ経済は24年もマイナス成長となる懸念が高まる。

EU統計局が30日発表した。23年10〜12月期のGDPの市場予想は前期比0.1%減だった。4〜6月期は0.1%増、7〜9月期は0.1%減だ。2期連続のマイナス成長で機械的に景気後退とみなす「テクニカルリセッション」は瀬戸際で回避したものの、高成長を保つ米国経済との差が一段と鮮明になった。

国別では欧州最大のドイツが前期比0.3%減だった。フランスはゼロ%と横ばいで、イタリアは0.2%増、スペインは0.6%増だった。ドイツは23年通年でも0.1%減で、主要7カ国(G7)唯一のマイナス成長となったもようだ。

 
欧州経済はウクライナ危機後の景気低迷から脱せずにいる。10〜12月期のインフレ率は3%を割ったものの、食品やサービスの値上げは広がっている。世界経済の減速による外需の落ち込みに加え、欧州中央銀行(ECB)の急激な利上げも内需を抑えた。

ユーロ圏の11月の小売売上高は前月比で0.3%減、前年同月比でも1.1%減だった。欧州銀行による企業向け融資は10月に前年同月比0.3%減と8年3カ月ぶりに減少に転じ、住宅ローンも絞るなど金融引き締めの影響が強まっている。

特に厳しいのがドイツ経済だ。ユーロ圏のGDP全体の3割を占め、製造業が経済の屋台骨であるため資源価格の上昇や金利高は生産コストや設備投資の負担増を通じて景気の重荷になる。11月のドイツの鉱工業生産指数は6カ月連続で低下した。

先行きも景気低迷が長引く懸念が高まる。ドイツ経済研究所の試算では、24年の独GDPは0.5%減と2年連続でマイナス成長になる見込みだ。

ショルツ政権は過去の予算転用が違憲となり、財源確保へ予算編成の見直しを進めている。財政運営の混乱が「企業を不安に陥れ、当面の投資決定を先送りしている」と分析している。

ドイツ銀行も24年のマイナス成長をメインシナリオにしており、経済見通しを下方修正する動きが出ている。