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2024/2/14 5:15 (2024/2/14 6:45 更新)
【ニューヨーク=三島大地】13日の米株式市場で主要な株価指数であるダウ工業株30種平均は反落し、前日比524ドル(1.4%)安の3万8039ドルで終えた。米労働省が同日発表した1月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退した。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが広がり、円相場は1ドル=150円80銭台まで下落した。
「ゴルディロックス(適温)相場に冷や水を浴びせた」。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの上級米国エコノミスト、ブライアン・ローズ氏は顧客向けメモにこう記した。
1月のCPIは前年同月比の上昇率が3.1%と2023年12月の3.4%から鈍化したものの、市場予想の2.9%を上回った。市場が警戒感を強めたのが、粘着性が高いとされるサービスインフレの再燃だ。
宿泊費が前月比(季節調整済み)2.4%上昇したほか、医療サービスが1.6%増、教育費も0.4%増と伸びが加速した。サービスインフレは賃金との相関性が強く、鈍化に時間を要するとされる。仏BNPパリバのチーフ米国エコノミスト、カール・リカドラ氏は「2%の物価目標に戻るのは容易ではなく、『最後の1マイル』が残っているとの印象を抱かせた」と話す。
金利先物市場の動きから政策金利の先行きを予想するフェドウオッチによると、FRBが3月会合で政策金利を据え置くとの見方が9割超に達した。前日の約8割から上昇し、3月に利下げに転じる可能性は遠のいた。
5月会合までに利下げするとの見方も3割強となり、過半が利下げ転換を見込んでいた前日の予想から大きく後退した。24年の利下げ回数は計3〜4回程度と、FRBが23年12月に示した年3回の予想に接近した。
長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時、23年12月以来となる4.3%台に上昇。日米金利差の拡大を意識した円売りが広がり、円相場は3カ月ぶりに1ドル=150円88銭まで下落した。
「FRBがすぐに利下げに踏み切る理由は今のところほとんどない」(米運用会社ファースト・トラストのブライアン・ウェズバリー氏)との見方から、上昇を続けていた米株式市場でもリスク回避姿勢が強まった。FRBがインフレの沈静化に時間を要し引き締め的な金融環境が長期化すれば、景気後退に陥るリスクは高くなる。
前日に史上最高値を更新していたダウ工業株30種は一時2.0%安まで下げる場面があった。S&P500種株価指数は1.4%安の4953.17で終えた。
S&P500種は全11業種が下落した。業種別では高金利の影響を受けやすい不動産が2.1%安だった。素材も2.5%安と下げがきつかっ