月着陸船とは 高難度の着地、民間が挑戦
きょうのことば
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2024/2/24 2:00
▼月着陸船 地球の衛星である月の表面に着陸する宇宙機。科学実験用の機器や月面を走る探査車などを、月まで送り届ける。ロケットで宇宙空間に放出されたあと、月を周回する軌道を飛行し、徐々に高度を下げて月面に到達する。到達時には安定して静止し、地球との通信を確立する必要がある。
月は地球の約6分の1ながら重力が働く。一方、大気はほとんどなく、パラシュートで空気抵抗を利用しながら着地できない。衝突を避けるため、燃料を吹かしながら徐々に減速する技術などが重要になる。これまで旧ソ連・米国・中国・インド・日本が着陸を達成したが、いずれも国の宇宙機関が実施した。近年はイスラエルや日本、米国で民間の挑戦が続いたが失敗しており、米新興のインテュイティブ・マシンズが初の快挙達成となった。
月は水資源の存在から宇宙開発の拠点として期待される。地球から月に貨物を運ぶ市場が立ち上がる。コンサルティング大手のPwCによると市場規模は、2020〜40年の累計で楽観的なシナリオで1020億ドル(約15兆円)、保守的なシナリオでも550億ドル(約8兆円)になると見込む。