バンブーズブログ

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もっと国民的議論に発展させる契機すべきだと思う‼️

[社説]次期戦闘機の輸出を国際協調と抑止力の強化に
 
 
#社説 #オピニオン
2024/3/16 19:05
 
日本、英国、イタリアが共同で開発する次期戦闘機のイメージ(防衛省提供)=共同
日本のあるべき安全保障の姿を国民的議論に発展させる契機としたい。自民、公明両党は日英伊3カ国が共同開発・生産する次期戦闘機の日本から第三国への輸出を解禁すると合意した。次期戦闘機は2035年の配備をめざす。

現行制度では、国際共同開発する防衛装備の完成品の輸出先は開発のパートナー国のみ認めている。合意は武器輸出に抑制的だった基本方針の転換となるが、日本をとりまく厳しい安全保障の現実を直視すれば理解できる。

合意は対象を次期戦闘機に限ったうえで、武器の適正管理などを定めた協定などを結ぶ国に絞る。第三国が日本からの武器で武力行使に及べば、紛争を助長するとの懸念を踏まえ、戦闘中の国は除く。輸出する際は案件ごとに閣議で決める一定の歯止めも設けた。

次期戦闘機の輸出先を広げる効果は小さくない。生産数を増やせれば生産コストを下げられ、防衛産業の育成にもつながる。共同開発にあたり、日本は広い海域を防衛できる機体など自国の優先する性能を主張しやすくなる。

英伊は調達価格を下げるため、日本による輸出ルールの見直しを期待していた。日本は平和国家の理念を守りつつ、地域安保の裾野を広げる努力は怠れない。

国際共同開発は世界の流れであり、東南アジアなどへの輸出を通じて同盟国・友好国の仲間づくりを進めたい。国際協調は多様化する脅威への抑止力になる。

そもそも22年末に英伊と共同開発を決めた時点で輸出の問題も取り上げておくべきだった。3カ国交渉が迫っているとして安保政策の根幹にかかわる決定が急ぎ足になった点は否めない。政府には見通しの甘さへの反省を求める。

防衛装備品を第三国に輸出すれば、供与された国の使い方によって日本も相手から狙われかねないリスクを排除できない。

合意では、この先も与党協議を経て新たな輸出案件を追加できるが、なし崩しで進めてはならない。例えば、戦闘機やミサイルなど高い殺傷能力を持つ装備品については、諸外国の例も参考にしながら野党が求める国会の関与も話し合っていくべきだ。

防衛装備品の輸出は原則を打ち立てるのが筋だ。例外措置を重ねるのは安保上の不安定要因になるだけでなく、企業も予見可能性が高まらないと投資しにくい。与野党で議論を深める必要がある。