バンブーズブログ

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ガザの紛争収束へ解決する方法は?

[社説]ガザの紛争収束へ国際社会は手を尽くせ
 
 
#イスラエルハマス衝突 #社説
2024/4/7 2:00
 
ガザの紛争収束には米国の役割が不可欠だ(バイデン米大統領㊧とイスラエルのネタニヤフ首相)=ロイター
パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム組織ハマスイスラエルを襲撃した事件から半年がたった。双方の報復合戦は連鎖し、無辜(むこ)の民間人を含めておびただしい犠牲をもたらしている。

イランなどの周辺勢力を巻き込んで事態がエスカレートする懸念も膨らんでいる。国際社会は紛争の早期収束に向け、あらゆる手を尽くさなければならない。

とりわけイスラエルにとって最大の後ろ盾となってきた米国の責任は大きい。バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との電話協議で、イスラエルが民間人の安全確保策をとらなければ支援を見直す可能性があると警告した。即時停戦も要求した。

米国に本拠を置く支援団体の隊員7人がイスラエル軍の攻撃で死亡したのを受けた対応だが、遅きに失したと言わざるを得ない。

私たちは米国があらゆる手段でイスラエルに自制を促すよう求めてきたが、バイデン政権の対応は十分だったとは言えない。11月に米大統領選を控え、資金面でも大きな影響力を持つユダヤ系米国人の反発を考慮した面がある。こうした親イスラエル路線が、選挙のカギを握る若年層らの離反を招いているのは皮肉というほかない。

今回の衝突でガザ側の死者は3万3千人を超えた。これ以上、惨劇が続くのを許すわけにはいかない。軍事支援の凍結も含め、米国は戦闘を停止するようイスラエルに圧力をかけるべきだ。

イスラエルは警告に応じなければならない。国際法を順守し、民間人や支援団体職員の保護を徹底するのは当然だ。

飢餓の懸念が増すガザには継続的な物資搬入が不可欠だ。日本も人道分野を中心に可能な限り支援を続けてもらいたい。ただ、人道状況を根本的に改めるにはまずガザでの戦闘をやめる必要がある。

ネタニヤフ氏が戦闘を続ける背景に政権維持の思惑があるとの見方が強い。ハマス壊滅や人質解放の目標が達成できずに停戦すれば、退陣圧力が強まるからだ。しかし、国連安全保障理事会が即時停戦を求める決議を採択したように、速やかな戦闘停止は国際社会の一致した意思である。

このままではイスラエルは国際的な孤立を深めるだけだ。そんなイスラエルを擁護し続ければ、米国も国際世論の批判を免れない。それは中国やロシアの望むところだろう。