バンブーズブログ

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首都の将来像見いだして欲しい

[社説]首都の将来像見いだす論戦に
 
 
#東京都知事選挙2024 #社説
2024/6/20 19:00
 
過去最多の56人が立候補し、ポスター掲示板の増設を迫られている(20日、東京都内) =AP
東京都知事選が20日、告示された。東京は少子高齢化、防災、国際的な都市間競争といった課題を抱え、その動向は全国に影響を与える。首都の持続性と競争力が問われる時代であり、東京の将来像を探る論戦を期待したい。

選挙戦は3選をめざす現職の小池百合子氏と前参院議員の蓮舫氏が軸だ。小池氏は自民、公明両党などが支援し、蓮舫氏は立憲民主党共産党などの支援を受ける。事実上の与野党対決である。

政治資金問題で自民党が候補者を立てられないのは政権党として情けない。選挙戦も有権者が政治とカネの問題をどの程度、考慮するかが影響しよう。政治不信による投票率の低下も懸念される。

まず問われるのが小池都政8年の評価だ。新型コロナウイルス禍への対応、待機児童対策をはじめとする子育て支援再生可能エネルギーの活用といった環境対策、五輪開催などは豊かな財源もあり一定の成果を出したといえよう。

一方、首都直下地震の備えは途上で、急速な高齢化を控えた独居世帯対策も十分でない。都道府県別にみた経済成長率はそう高くなく、人や企業の集中を生かし切れていない。スタートアップ育成や国際金融都市構想も道半ばだ。

課題山積のなかで競い合うのが少子化対策だ。小池氏は無痛分娩の補助など「お母さんを守る」ことを重視する。蓮舫氏は「未婚化が要因」とし、都の非正規職員の正規化など若者への経済支援に重点を置く。どちらも大切だが、訴える層の違いがうかがえる。

都の人口は2025年に減少に転じるとされたが、直近の推計では40年まで増加が続く。外国人の増加を見込むためで、外国人とどう向き合うかも語ってほしい。

立候補者はほかに石丸伸二氏、田母神俊雄氏を含め56人と過去最多になった。なかには選挙運動の動画配信で収益を上げたり、選挙ポスターを広告枠として「販売」したりする動きもある。選挙の目的にそぐわない行為が横行するなら制度の見直しが必要である。