バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

劇症型溶連菌は正しく恐れよ

 

[社説]劇症型溶連菌は正しく恐れよ
 
 
#社説 #オピニオン
2024/6/28 19:00
 
「人食いバクテリア」の異名をもつ劇症型溶血性レンサ球菌(国立感染症研究所提供)
劇症型溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症の今年の患者数が1000人を超えた。半年足らずで過去最多だった2023年を上回った。致死率が約3割と恐れられているが、感染・発症する頻度は極めて小さい。病気の実態を正しく理解し用心したい。

溶連菌が傷口などから入り込むと、まれに重症化して発症する。数時間から数日のうちに急激に症状が悪化するのが特徴。手足の腫れが壊死(えし)につながったり、敗血症などの症状から多臓器不全を引き起こしたりする。

発症後、数十時間で亡くなるケースもある。命が助かっても壊死した手足は切断しなければならない。テレビやネットでは「人食いバクテリア」と呼ばれている。

手や足の腫れや痛み、発熱など異変に気がついたらすぐに医療機関を受診すること。病原体はウイルスでなく細菌(バクテリア)であるため、抗生物質による治療が可能だ。手遅れにならないよう急変時は救急車を呼ぶのがよい。

この20年、国内の患者数は年々増える傾向にある。新型コロナウイルス禍で手洗いなどの感染対策が徹底されている間は一時減少したが、23年には941人と過去最多だった。今年はこの数字を大幅に更新する見通しだ。

日本でなぜ感染が広がっているのかはわかっていない。感染経路や重症化しやすい人の特徴も不明だ。ワクチンも存在しない。

ただ、新型コロナやインフルエンザのように人から人へと容易に広がっていくものではない。溶連菌は一般的には咽頭炎などを引き起こす細菌で、大半の人は感染しても軽い喉の痛みといった風邪の症状で済む。過度に恐れることはないだろう。

この春以降、韓国や中国において度々、日本の「人食いバクテリア」の感染拡大がネットなどで話題になっている。急回復するインバウンド(訪日外国人)需要に水を差すことのないよう、厚生労働省は正しく丁寧に情報発信してもらいたい。

劇症型溶連菌は正しく恐れよ
 
 
#社説 #オピニオン
2024/6/28 19:00
 
「人食いバクテリア」の異名をもつ劇症型溶血性レンサ球菌(国立感染症研究所提供)
劇症型溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症の今年の患者数が1000人を超えた。半年足らずで過去最多だった2023年を上回った。致死率が約3割と恐れられているが、感染・発症する頻度は極めて小さい。病気の実態を正しく理解し用心したい。

溶連菌が傷口などから入り込むと、まれに重症化して発症する。数時間から数日のうちに急激に症状が悪化するのが特徴。手足の腫れが壊死(えし)につながったり、敗血症などの症状から多臓器不全を引き起こしたりする。

発症後、数十時間で亡くなるケースもある。命が助かっても壊死した手足は切断しなければならない。テレビやネットでは「人食いバクテリア」と呼ばれている。

手や足の腫れや痛み、発熱など異変に気がついたらすぐに医療機関を受診すること。病原体はウイルスでなく細菌(バクテリア)であるため、抗生物質による治療が可能だ。手遅れにならないよう急変時は救急車を呼ぶのがよい。

この20年、国内の患者数は年々増える傾向にある。新型コロナウイルス禍で手洗いなどの感染対策が徹底されている間は一時減少したが、23年には941人と過去最多だった。今年はこの数字を大幅に更新する見通しだ。

日本でなぜ感染が広がっているのかはわかっていない。感染経路や重症化しやすい人の特徴も不明だ。ワクチンも存在しない。

ただ、新型コロナやインフルエンザのように人から人へと容易に広がっていくものではない。溶連菌は一般的には咽頭炎などを引き起こす細菌で、大半の人は感染しても軽い喉の痛みといった風邪の症状で済む。過度に恐れることはないだろう。

この春以降、韓国や中国において度々、日本の「人食いバクテリア」の感染拡大がネットなどで話題になっている。急回復するインバウンド(訪日外国人)需要に水を差すことのないよう、厚生労働省は正しく丁寧に情報発信してもらいたい。