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令和の皇室外交をさらに前へ

[社説]令和の皇室外交をさらに前へ
 
 
#令和の皇室 #社説
2024/7/1 19:00
 
皇室外交のさらなる活性化を期待したい(6月25日、晩さん会でチャールズ英国王と乾杯する天皇陛下)=PA通信・共同
天皇、皇后両陛下が国賓としての英国訪問を終えて帰国された。新型コロナ禍で多くの制約を受けてきた令和の皇室活動は、徐々に平時に戻りつつある。国際親善の分野でも、これを機にさらなる交流の活性化を期待したい。

訪英は生前のエリザベス女王の招待を受け2020年に予定されていたものの、コロナ禍で延期されていた。

天皇国賓待遇で訪英するのは1971年の昭和天皇、98年の上皇さまに続き3回目だ。日英双方が代替わりし、いずれも戦後生まれの陛下とチャールズ国王が改めて親睦を深めた意義は大きい。

陛下は晩さん会のスピーチで、両国が戦火を交えた過去に触れつつ、地球規模の諸問題に力を合わせて対処する必要性を強調。折に触れてグローバルな問題意識を打ち出す「令和流」をさらに印象づけられた。

英国側は国王が「英国にお帰りなさい」と日本語であいさつしたほか、ポケットモンスターハローキティに言及するなど、親密さを際立たせる演出が目立った。馬車列でのパレードでは沿道から歓迎の声が上がった。

宮内庁が始めたばかりのインスタグラムでも、英王室のアカウントとの間で相互フォローを果たした。訪問を機に両国の友好が深まったのは間違いない。

皇后さまも現地で休養を挟みながら行事に参加された。引き続き体調を考慮しながら活動に取り組まれることを期待したい。

陛下の国際親善としての海外訪問は、昨年のインドネシアに続き即位以降でまだ2カ国目だ。令和に入って間もなく襲ったコロナ禍で、新しい皇室の活動が出ばなをくじかれたのは否めない。

それでもコロナ禍が落ち着いたことで、制約は徐々に取り除かれつつある。陛下は国際親善を皇室の重要な活動のひとつと位置付けられている。

令和の皇室外交はこれからが本番だろう。多くの国と積極的な交流が進むことを望みたい。