スゴ腕投資家が伝授 投資のお悩み解消法(2)
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2023/3/26 5:00
写真はイメージ=PIXTA
株式投資は銘柄を買う前はもとより、買ってからも分からないことや悩みが次々と出てくる。悩みを抱えているのは、初心者ばかりではない。株を売買して何十年というベテランでも同じ課題にぶつかり、レベルアップできていない人は少なくない。では、そうした壁を腕利きの個人投資家はどう克服したのか。『日経マネー』の誌面でもおなじみのスゴ腕投資家8人に、典型的な投資の悩みに回答してもらった。
【相談】何から始めたらよいか分からない
投資を始めたいのですが、まず何から始めたらよいのでしょう。自分に向いている投資手法を知りたいです。(30代男性・東京都)
回答① 「まずは大御所投資家の著書を読む。楽しいと思える手法を探そう」
まつのすけさん(ハンドルネーム)
投資には割安株を買うバリュー株投資、成長株を買うグロース株投資、相場の動きに乗って売買するモメンタム投資(順張り)、株価チャートを使った売買、インデックス投資など、様々な手法があります。私が得意なのは、何らかのイベントに合わせて株価が動く現象に着目し、先回りで売買するイベント投資です。
大きな書店の投資本コーナーなどに行くと、それぞれの投資手法を解説した書籍が並んでいます。まずは各投資手法の大御所が書いた本を読み、どの手法に挑戦したいかを考えてみてください。
具体的な大御所の名前は、バリュー株投資はベンジャミン・グレアム、グロース株投資はウィリアム・オニール、モメンタム投資はマーク・ミネルヴィニ、チャート売買はジェシー・リバモアなどです。彼らの著書を読んでみてください。また、多様な投資手法の投資家が登場する『マーケットの魔術師』という書籍もお薦めです。
いずれにしても投資というものは、自分の好きな手法で取り組まないと成果は出ないし、長続きもしません。
例えばバリュー株投資で成功している投資家は企業分析を大好きな方が多い。企業分析はつまらない、面倒なことは嫌いだという人では成功はおぼつかないでしょう。ゲーム感覚で取り組め、楽しいと思える投資手法を試行錯誤しながら探してください。
回答②「やってみなければ分からない。入門本を読んだら少額で即実践」
DUKE。さん(ハンドルネーム)
まずは、「株1年生」といった初心者向けの入門本の中から評判の良いものを3〜4冊選んで読んでみましょう。どのような投資手法があるのか、成長株とは何か、割安株とは何か、投資指標の見方など、株式投資とはどんなものなのかが分かると思います。
一通り入門本を読んだら、お小遣い程度の予算で気になった銘柄を実際に買ってください。儲かるかもしれませんし、損をするかもしれません。いずれにしても、どんな投資手法が向いているかを知る手掛かりになります。
全ての投資手法を自分のお金で実際に試してみないと、自分に合った投資手法は分からないものなのです。多くの有名なスゴ腕投資家さんたちもこれと同じことを言っています。
ただし、注意点もあります。会社員にとってデイトレード(1日の間に取引を完結させる手法)が難しいように、生活習慣に合っていない手法は選ばない方が無難です。また、同時並行で複数の投資手法に手を出さないでください。混乱します。
肝心なのは自分の性格に合っているかどうかです。慎重な性格ならバリュー(割安)株投資が良いでしょうし、何事にも積極的ならグロース(成長)株投資が向いている気がします。実際に挑戦して何が向いているかが見えてきたら、その手法の投資を続けつつ、書籍などで深掘りしてください。
[日経マネー2023年5月号の記事を再構成]