バンブーズブログ

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待機児童の減少に油断するな‼️

[社説]待機児童の減少に油断せず保育拡充急げ
 
 
#出生率少子化 #社説
2024/9/1 2:00
 
子どもたちの大事な成長の場だ
希望しても保育所などに入れない待機児童の数が4月1日時点で2567人になった。昨年より113人少なく、6年連続で過去最少を更新した。

ただ、これで保育の問題はほぼ解決と思うのは、早計だ。想定を超える少子化が背景にあるうえ、親子を支えるインフラとしての保育の役割はむしろ高まっている。待機児童の減少を、拡充に向けた大事な一歩としたい。

こども家庭庁によると、全国の自治体のうち87.5%で待機児童がゼロとなった。人数自体もピークだった2017年(2万6081人)の10分の1になった。

一方、家に近い特定の園のみを希望して入れないといった「隠れ待機児童」は約7万1千人で、なお高水準だ。あくまで4月時点の数字であり、年度途中に入りたい子どもの数なども含まれない。

25〜44歳の女性の就業率は上昇傾向にあり、共働きも増えている。保育利用率は1.2歳児で59.3%と、10年前より24.2ポイントも高まった。安心して通える園が身近にあってこそ、少子化対策にも女性の就労支援にもなる。自治体は地域の実情に応じ、必要な整備を進めてほしい。

さらに取り組むべきことは多くある。まずは質の向上だ。4.5歳児の職員配置基準は今年4月、76年ぶりに見直されたが、具体的な改善はなお途上だ。保育士が余裕をもって子どもと向き合い、きめ細かく目配りができる環境を整えることが欠かせない。

保護者の就労を問わず保育を利用できる新制度「こども誰でも通園制度」が、26年度から全国で始まる。3歳未満の未就園児が対象だ。保育所などが果たす役割への期待も大きくなるだろう。

気になるのは、保育の人手不足だ。今回、待機児童が解消できなかった要因として「保育人材の確保困難」を挙げる自治体が目立った。誰でも通園制度でも、24年度の試行事業では利用は月10時間が上限だ。全国で体制が整わなければ、利用時間は影響を受ける。保育士の処遇改善や就労環境の整備を着実に進める必要がある。

大事なのは、共働き家庭も専業主婦家庭もみな安心して子育てでき、子どもが様々な経験や交流を通じて成長できるようにすることだ。待機児童対策から踏み出し、地域の保育基盤をどう整えていくか。国も自治体も新たなグランドデザインを考えるときだ。