「売り優勢の中、中国の新型コロナウイルス対策緩和報道で下げ渋り!」
20日の国内株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、前営業日比250円42銭安の2万7,006円96銭で終えました。
本日はリスク回避ムードのなか、朝方は日経平均株価が漸次水準を切り下げる展開を余儀なくされ、一時2万6,800円台まで売り込まれる場面がありました。前日の米国株式市場では米長期金利の上昇を嫌気して主要株指数が軟調な値動きを示し、国内株式市場もこの流れを引き継ぎました。前場は米株価指数先物の弱い動きが投資家心理を冷やしましたが、後場に入り中国が新型コロナ対策として実施している入国者の隔離期間の短縮を討議と伝わると、ムードが一変。買い戻しが強まり、日経平均株価は下げ渋りました。
【業種別】
では空運、鉱業、銀行などが上昇した一方、精密機器、ガラス・土石、海運などが下落しました。
【個別銘柄】
では、【6920】レーザーテックが3%を超える大幅上昇。【6619】ダブル・スコープが商いを伴って買いを集めました。非上場化の観測が伝わった【8303】新生銀行が急伸。米長期金利の上昇を受けて、【8750】第一生命ホールディングスや【8766】東京海上ホールディングスなど保険株が堅調に推移しました。今期は最終赤字に転落見込みとなった【2002】日清製粉グループ本社は、営業利益の上方修正の方が好感されて大幅上昇。上期の見通しを引き上げた【6849】日本光電が年初来高値を更新しました。一方、【8035】東京エレクトロン、【9983】ファーストリテイリング、【7741】HOYAなど値がさ株の一角が軟調。【9107】川崎汽船、【5726】大阪チタニウムテクノロジーズなど、市況関連の全般的な弱さが目立ちました。出資先の海外企業の上場申請が取り下げとなった【3328】BEENOSは急落しました。
【チャート分析】
20日の日経平均株価・日足は「小陽線」となりました。買い手の心理としては、上昇期待感の中気迷いを示唆しています。心理的節目の2万7,000円をキープして取引を終えたことから、安心感も意識されやすい模様。ただ、200日移動平均線(2万7,238円76銭)や75日線(2万7,479円06銭)が引き続き上値抵抗線となりそうです。また、「9月の米雇用統計後に付けた2万7,399円19銭が当面の上値メドとして意識されやすい」との声も聞かれ、同水準を上抜けるには好材料が必要になりそうです。
東証プライム市場の売買高は10億4,453万株、売買金額は概算で2兆5,453億円でした。
20日の新興企業向け株式市場で東証マザーズ指数は続落し、終値は営業日比4.96ポイント安の727.75でした。米長期金利の上昇を受けて前日の米国株式相場が軟調に推移した流れを引き継ぎ、国内の新興銘柄も売り優勢の展開でした。
【東証グロース市場】
では【7794】イーディーピー、【7685】BuySell Technologiesの他、【6030】アドベンチャーや【3479】ティーケーピーなどリオープン(経済再開)関連の一角が下落しました。一方、【5032】ANYCOLORや【4478】フリーは上昇。本日グロース市場に新規上場した【9562】ビジネスコーチは公開価格(2,070円)の約2倍の4,155円で初値を付け、その後は売りが優勢となり終値は初値比700円安の3,455円で取引を終えました。