バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

ダウ反落、280ドル安 金融株売られるも下げ渋る

NY
 
 
2023/3/16 5:08 (2023/3/16 5:40 更新)

【NQNニューヨーク=川上純平】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比280ドル83セント(0.9%)安の3万1874ドル57セントで終えた。15日の欧州市場でスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの経営不安から欧州株相場が大幅安となり、米株市場にも売りが及んだ。金融システムの不安定化が景気を冷やすリスクが警戒され、金融株を含む景気敏感株が下げた。

経営不振が続くクレディ・スイスを巡り、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクの会長が「追加の出資要請には応じない」と述べたと伝わった。シリコンバレーバンク(SVB)など米銀の経営破綻が相次ぐなか、金融システムが一段と不安定になるとの懸念が高まった。金融株は軒並み売られ、ダウ平均の構成銘柄ではJPモルガン・チェースが5%安、ゴールドマン・サックスが3%安で終えた。

金融システム不安が米景気の減速につながるとの懸念から、航空機のボーイングや化学のダウなど景気敏感株も売られた。市場では、銀行が流動性を確保するために貸し出しに慎重になり、企業活動が冷え込むとの見方がある。

ダウ平均の下げ幅は一時720ドルに達したが、売り一巡後は下げ幅を縮小した。相対的に安全資産とされる米国債に資金が集まり、米長期金利が一時3.3%台と前日終値(3.69%)から大幅に低下。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株には押し目買いが入りやすく、ソフトウエアのマイクロソフトは上昇した。製薬のアムジェンなどディフェンシブ株が買われたのも相場を支えた。

取引終了間際にはスイス国立銀行中央銀行)が「クレディ・スイスは必要な資本と流動性を満たしているが、必要なら流動性を供給する」との声明を発表した。これを受けてダウ平均はさらに下げ渋った。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比5.903ポイント(0.1%)高の1万1434.052で終えた。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。

【関連記事】・欧米株が下落、クレディ・スイス24%安 信用不安懸念

・米金利再び急低下 FRB政策見通し一変、荒い値動き