#ヨーロッパ #ウクライナ侵攻 #北米
2023/4/8 17:32
ウクライナ東部では激しい戦闘が続く（7日）=ロイター
【ワシントン=中村亮】ウクライナ情勢をめぐる米欧の機密情報が流出した疑惑に関し、米国防総省は7日の声明で司法省に捜査を要請したと明らかにした。流出の真偽や規模、経緯の特定を急ぐ。
国防総省のシン副報道官は声明で「国防総省は事案を精力的に精査しており、司法省に捜査を正式に要請した」と説明した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、機密情報はツイッターなどのSNS（交流サイト）を通じて拡散した。複数の専門家の話として100件以上の文書が流出した可能性があると伝えたが、全容は明らかになっていない。
ウクライナ軍の編成や装備、訓練計画に加え、ウクライナ東部の激戦地バフムトの戦況に関する情報が含まれていた。近くロシア軍に反転攻勢を始めるとみられるウクライナ軍の関連情報も漏れた可能性がある。
情報の一部は改ざんされているもようだ。ウクライナ軍の死者数が米国の推計より多く記載されているが、ロシア軍の死者数は米国の推計に比べて少ない数値になっているという。
同紙によると、ウクライナ政府高官はロシアがウクライナによる反転攻勢の抑止を狙ったと指摘した。ロシアでは米欧の情報機関が機密流出を装ってロシア軍を混乱させようとしている可能性があるとの見方が出ている。
ウクライナ情勢だけでなく、中国や中東、インド太平洋地域、テロに関する機密も漏洩した疑いがある。
