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2023/7/2 22:10 (2023/7/2 23:05 更新)
閉館した中野サンプラザ（2日夕、東京都中野区）=共同
音楽の殿堂が半世紀の歴史に幕――。多くのミュージシャンとファンに「聖地」として愛されてきたコンサートホール「中野サンプラザ」（東京・中野）が2日夜の公演を最後に閉館した。
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ホールの顔でもある正面の赤階段で行われた閉館セレモニーでは、ゲストとして招かれたミュージシャンの「サンプラザ中野くん」が「中野サンプラザさんと肩を組んで駆け抜けてきた。50年の長きにわたりお疲れさまでした。ありがとうございました」と感謝。中野サンプラザの佐藤章社長は「皆さまの大切な思い出がこの特徴的な三角形のビルの記憶と共に残るのであれば素晴らしい」と述べた。
2日に最後の公演を行ったのは、1980年に出世作「RIDE ON TIME」を発表して以来、同所を「ホームグラウンド」として公演を重ねてきたシンガー・ソングライターの山下達郎さん。同日放送のラジオ番組「サンデー・ソングブック」で「『私が最も愛した』といわれるが、本当の理由は時間の融通が利いたんです」と苦笑い。
「私は演奏の時間が長い。他のホールだと絶対に許されなかったんですけど、中野サンプラザでは好き勝手、演奏ができた。変わったホールでした」と別れを惜しんだ。
閉館セレモニーを終え頭を下げる中野サンプラザの従業員ら（2日夜、東京都中野区）=共同
73年の開業以来、フォークからロック、演歌、アニメソングまで幅広い分野の国内外のミュージシャンが舞台に立ち、「モーニング娘。」などアイドルのコンサート会場としてもおなじみの「聖地」。JR中野駅前に立つ大きな三角形のビルは街のランドマークとしても親しまれてきた。
5月からは「さよなら中野サンプラザ音楽祭」と題し、上坂すみれさんや奥田民生さん、「BEGIN」などゆかりのアーティストらが連日のようにステージに立った。
建物解体後の跡地には最大7千人を収容する大ホールを備えた複合施設が建設されるなど、一帯で再開発が進む計画だ。〔共同〕
