バンブーズブログ

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[社説]改造内閣で重要政策の詰めと実行を急げ


 
 
#社説 #オピニオン #内閣改造自民党役員人事
2023/9/14 2:00
 
閣議を終え、記念撮影に臨む岸田首相と新閣僚ら(13日、首相官邸
岸田文雄首相が内閣改造自民党役員人事に踏み切った。岸田政権はこれまで外交や安全保障の強化に力を入れる一方、内政の重要課題への取り組みには停滞感も漂う。新たな体制で政策の詰めと具体化を急ぎ、着実に成果をあげてもらいたい。

第2次岸田再改造内閣は、19閣僚のうち13人を入れ替えた。鈴木俊一財務相西村康稔経済産業相松野博一官房長官らを留任させ、外相に上川陽子氏、厚生労働相武見敬三氏、防衛相に木原稔氏を新たに起用した。

女性閣僚を前内閣の2人から過去最多と並ぶ5人に増やし、初入閣も11人。外相と防衛相を同時に交代させて刷新感を出した。

党人事では麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長が続投。総務会長は森山裕氏、選挙対策委員長小渕優子氏をあてた。全体として政権を支える体制の骨格を維持し、各派閥のバランスに配慮した布陣といえる。

首相は13日夜の記者会見で「わが国の安心と豊かさを次の世代にバトンタッチする。この内閣は変化を力にする内閣だ。経済、社会、外交・安全保障の3つを政策の柱として強固な実行力を持った閣僚を起用した」と語った。その言葉通り、様々な課題解決に向けた取り組みを加速してほしい。

発足から約2年となる岸田政権は、コロナ禍や物価高、エネルギー不足、防衛力強化への対応を最優先してきた。「新しい資本主義」「デジタル田園都市国家構想」「全世代型社会保障」といった看板政策の具体化は遅れ、内閣支持率が弱含む一因になっている。

潜在成長力を底上げする改革は待ったなしだ。新たな産業育成や競争を阻む規制の改革、労働移動の円滑化、将来不安の解消につながる社会保障制度改革や財政健全化への取り組みも重要だ。

マイナンバーカードの普及やインボイス(適格請求書)制度の導入は、行政の効率化や税の公平性を高めるために不可欠である。政府は円滑な導入に向けて、さらに努力してもらいたい。

近年は政治資金問題などに絡む閣僚の辞任や国会議員の不祥事が相次いでいる。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との結びつきへの国民の視線は厳しい。

政治への信頼がなければ、様々な政策の実行もままならない。自民党は襟を正し、事実解明と再発防止を徹底していく責任がある。