バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

「ライドシェア活用を」

1.小宮一慶のモノの見方・考え方

東京にいると、このところタクシーを呼びにくいという経験をされた方は多いと思います。私はしばらく前に足を少し痛めたこともあり、タクシーを利用することが増えたのですが、世田谷の自宅にタクシーを呼ぶのに苦労したことが少なからずあります。(おかげさまで足のほうはだいぶんよくなりました。)
Goというアプリで呼んだ時には、事前予約をしているにもかかわらず、予定時間の5分前くらいになって「配車ができません」という連絡が来たことが3度ほどありました。960円の割増し料金を支払うという契約で配車の約束をしていたのに、配車時間の直前になって一方的に配車をキャンセルされるのです。危うく新幹線に乗り遅れるところでした。(痛む足を引きずりながら、あわてて電車で東京駅まで行って、何とか予定の新幹線に

乗れました。)これでは、予定していた行動がとれないことは明らかです。
夏に久しぶりにハワイに行き、そこで2度ほどUberのライドシェアを活用したのですが、本当に快適でした。ライドシェアは初めてだったのですが、接遇も、車のきれいさも全く問題なく、決済も事前に登録したクレジットカードで自動決済です。あまりに対応が良かったので、チップを事後にスマホから差し上げたくらいでした。私の知人たちに聞いても、ライドシェアの不満を言っている人はまずいません。
日本でも、タクシーの運転手さん不足によるタクシーの稼働不足からライドシェアの話が出てきています。政府としても対応を急いでいると聞きます。
ただ、注意しなければならないのは、中途半端なライドシェアの解禁でごまかされないことだと思います。夜間限定などの案も出ているようですが、昼間も困っている人が多いのです。
この国では、規制で守られた業界を保護する傾向がとても強いと感じます。それで適正価格で安定供給ができているのならまだしも、それができないのであれば、規制を大幅に緩和すべきです。それも中途半端でなく、国民にメリットのある効果が出るような緩和をするべきです。規制は業者保護や業者に超過利潤を与えるためではなく、国民にとってメリットのあるものでなければならないのは言うまでもないことです。
当社の行動指針のひとつに「できない理由より、やる方法」というのがありますが、この国の政策を見ていると、できない理由や中途半端な妥協策ばかりを考えているように思えます。やるとしても、留保条件が多すぎて、結局できないのと同じということも多いと感じます。業界団体の支援を受けたい国会議員が小利口な役人と一緒になって既得権益を守るような政策をつくるからです。もっと言えば、ガソリンの補助金にしても、ガソリン税

を下げれば済むだけのことを、わざわざ石油元売りに補助金を出し、予算を増やすことで経産省の権益を拡大するような、国民を欺く「焼け太り」をするような政策も作られることがあります。
ライドシェアに関しては、菅前首相らが積極的に推進を進めていると聞きますが、中途半端なものでなく、国民にしっかりとメリットが出るような形で進めてほしいものです。菅前首相は携帯料金の値下げも実行しましたが、岸田政権でも、財政状況が極めて悪い中でのバラマキなどではなく、国民に直接メリットのある規制緩和を中途半端でないライドシェアなどのかたちでぜひ進めてもらいたいものです。そのほうがバラマキよりも国民は次

の選挙で評価するのではないでしょうか。