バンブーズブログ

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国連安保理、ガザ「戦闘休止」を要請 5回目で初採択


 
 
#イスラエルハマス衝突 #中東・アフリカ #北米
2023/11/16 6:07 (2023/11/16 7:36 更新)
 
パレスチナ情勢をめぐって、国連安保理はようやく一致した対応に乗り出す=AP
【ニューヨーク=佐藤璃子、三島大地】国連安全保障理事会は15日、緊急会合を開き、パレスチナ自治区ガザにおける戦闘の「緊急かつ人道的な一時休止」を要請する決議案を採択した。国際人道法の重要性を強調した上で、子どもたちの保護を繰り返し求めた。民間人の犠牲が増え続ける中、機能不全が指摘されていた安保理がようやく一致した対応に乗り出す。

決議案は非常任理事国のマルタが提出した。フランスや中国、日本など12カ国が賛成した。拒否権を持つ常任理事国の米国と英国、ロシアは棄権した。拘束力のない国連総会決議とは異なり、イスラエルも含めて国連加盟国は安保理決議に従う義務がある。

 
イスラム組織ハマスが10月7日にイスラエルを攻撃して以降、安保理では4回にわたってガザの戦闘に関する決議案を諮ってきた。しかし米国やロシア、中国が拒否権を行使して決議はまとまらず、調停機関として機能不全に陥っていた。

今回は採択に必要な9カ国以上からの賛成票を得たうえで、常任理事国が拒否権の行使を見送り、決議の成立までこぎ着けた。

決議では、ガザ地区全域で十分な日数の「緊急かつ人道的な戦闘の一時休止」に乗り出すよう要請した。国連機関などが迅速で妨げのない人道的アクセスを継続的に実行できるようにする狙いがある。

ハマスによる人質の解放や人道回廊の設置も求めた。さらに「紛争が子どもたちの身体的・精神的健康に生涯にわたる影響を与えることに深い懸念を表明する」として保護や援助を繰り返し要求した。ハマスによるイスラエルへの攻撃を直接非難する文言は盛り込まなかった。

ロシアは「敵対行為の停止につながる人道的な休戦」を求める修正案を提出した。採択に必要な票数に届かず、否決された。

10月下旬には国連総会が人道回廊の設置や「人道的休戦」を求める決議案を採択した。総会の決議には法的拘束力がない。国際社会の意思を示す機会となるが、人道危機の直接的な解決に結びつく可能性は小さい。

一方で安保理は国連機関で唯一、加盟国への法的拘束力のある措置を実行できる。決議に違反すれば制裁が科される可能性がある。イスラエルはガザ北部などで戦闘を継続しており、同国の動向が焦点になる。