NYダウ157ドル高、年初来高値更新 FOMC控え様子見も
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2023/12/12 5:22 (2023/12/12 7:56 更新)
【NQNニューヨーク=戸部実華】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日続伸し、前週末比157ドル06セント(0.43%)高の3万6404ドル93セントで終えた。2022年1月以来の高値をつけた。米連邦準備理事会(FRB)が24年前半にも利下げに転じるとの観測が引き続き投資家心理を支えた。もっとも、週内に相次ぐ重要イベントを控えて様子見姿勢が強く、伸び悩む場面もあった。
8日発表の11月の米雇用統計は労働市場の底堅さを示した。インフレが鈍化しつつあることを示す指標の発表が増えるなか「米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が高まった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。FRBが利上げ局面を終え、来年半ばまでに利下げを開始するとの見方が強まっている。
米債券市場では午後に長期金利が上昇幅を急速に縮める場面があった。午後に公表された10年物国債入札は「低調」との受け止めがあったものの、金利上昇が一服したことで株式の相対的な割高感が薄れ、株買いを支えた。
高値警戒感は相場の上値を抑えた。12日には11月の米消費者物価指数(CPI)、13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果の公表を控える。先行きの相場を左右する重要イベントを見極めたい雰囲気が強く、積極的な買いは手控えられた。
個別銘柄では半導体のインテルや機械のハネウェル・インターナショナルの上昇が目立った。アナリストが投資判断を引き上げたスポーツ用品のナイキも高い。一方、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは売られた。ディフェンシブ株の一角も安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3営業日続伸し、前週末比28.513ポイント(0.19%)高の1万4432.486で終えた。22年4月以来の高値。ブロードコムやマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の上昇が目立った。一方、交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベットなど主力ハイテク株は売られた。
多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数も3営業日続伸した。前週末比18.07ポイント(0.39%)高の4622.44と、22年3月以来の高値となった。