バンブーズブログ

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川崎汽船が《株式分割》、22年以来 年間配当は50円増配


 
 
#サービス・食品 #ビジネス
2024/2/3 2:00
川崎汽船は2日、3月31日を基準日に1株を3株に分割することを発表した。株式分割は2022年以来。矢継ぎ早の株式分割に加えて、24年3月期の年間配当を50円上積みし、250円にすると発表した。24年3月期の連結営業利益は前期比10%増の870億円と従来予想から50億円下方修正したが、株主を意識した資本政策を進める。

同社は23年5月に株主還元策を公表しており、24年3月期からの4年間で2500億円以上の株主還元を予定している。25年3月期も年間配当を250円と従来計画から130円積み増す。

年290億円分の基礎配当と既に公表済みの562億円分の自社株買いに今回発表した2期分の増配を加えると、予定した4年間で2500億円の目標にほぼ達する見通し。

山鹿徳昌常務執行役員は「キャッシュフローが改善するなか、計画していた還元ができるという見込みが立った」と増配の理由を説明した。今後の追加還元については「キャッシュフローの状況や業績動向に従って積極的な株主還元を考えていきたい」としている。5月には更新した還元方針を公表する予定だ。

 
24年3月期の純利益予想は前年同期比85%減の1050億円に据え置いた。新型コロナウイルス禍によるコンテナ特需の反動で前期比では大幅減益となったが、過去4番目の高水準となる。売上高は横ばいの9400億円と従来予想を100億円上方修正した。

ドライバルク事業の経常利益予想は大型船の市況が軟化したことで前期比7割減の55億円と振るわないが、自動車の生産が回復したことで運賃が高騰している自動車輸送船事業などが補う。

一方でコンテナ船事業では足元でスポット運賃が上昇している。イエメンの親イラン武装組織フーシが11月に日本郵船がチャーターする自動車輸送船を拿捕(だほ)したことを皮切りに紅海で商船の襲撃が相次いだ。

各社が紅海を避けて喜望峰を迂回するルートをとったため、航海日数が伸びた結果、船腹需給が引き締まっている。上海航運交易所によると、上海発欧州向けのスポット運賃は1月26日までの週にコンテナ1個あたり2861ドルとなり前年同期の2.8倍に上昇した。ただ、迂回による燃料費の増加や船舶の追加が先行するため、収益への寄与は来期になる見通しだ。