#半導体 #電機
2024/5/15 16:02
顧客の在庫整理が進み、NAND市況が改善している(キオクシアの四日市工場)
半導体大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)が15日発表した2024年1〜3月期の連結決算は、最終損益が103億円の黒字(前年同期は1309億円の赤字)と、6四半期ぶりに黒字に転じた。顧客の在庫整理が進み受注が上向いた。市況改善を受け24年内に東京証券取引所への上場を目指す。
売上高にあたる売上収益は前年同期比31%増の3221億円だった。増収は7四半期ぶり。台湾トレンドフォースによると、長期記憶に使うNANDフラッシュの1〜3月の価格は前四半期比で23〜28%上昇した。低迷していたスマートフォンやパソコン向けの需要が底打ちしたほか、データセンター向けの需要も伸びた。
製品価格の上昇で採算が改善し、営業損益は439億円の黒字(同1714億円の赤字)と6四半期ぶりに黒字となった。キオクシアや韓国サムスン電子、米マイクロン・テクノロジーなどが22年秋からNANDの減産を続けた結果、顧客の在庫が適正な水準に近づいた。