バンブーズブログ

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[社説]派閥幹部は説明責任を果たせ


 
 
#社説 #オピニオン #自民政治資金問題
2024/2/6 2:00
 

自民党が派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、所属議員の調査を進めている。収支報告書の不記載の件数はかつてない規模に達し、資金還流の動機や使途の解明が急務だ。多額の不記載があった派閥の幹部は、国会の場できちんと経緯を説明する責任がある。

岸田文雄首相は5日の衆院予算委員会で安倍、二階、岸田3派の聞き取りと全議員対象のアンケート調査で確認作業を急ぐと表明した。「必要な説明責任を果たしていきたい」とも強調した。

自民党は予算委に先だち、不記載があった政治団体と訂正額の一覧リストを示した。野党は資料が不十分だとして開会が約1時間遅れた。政府・与党は「政治とカネ」の問題が審議の支障にならないよう最大限の努力をすべきだ。

立憲民主党松野博一官房長官自民党萩生田光一政調会長ら「五人衆」と呼ばれる安倍派幹部や二階俊博元幹事長らの政治倫理審査会への出席を求めている。政倫審は1985年に衆参両院に設置され、「政治とカネ」などの疑惑を抱える議員自身が出席を申し出て弁明する機会となる。

与党内にも政倫審の開催に前向きな声がある。与野党が早期の開催でまず歩み寄り、組織的な裏金づくりの動機や仕組み、政治的な責任について検証すべきだ。

今回の裏金事件を受けた制度の改革論議はこれから本格化する。野党は①企業・団体献金の全面禁止②議員に会計責任者と連帯して責任を負わせる「連座制」の導入――などを主張している。「調査研究広報滞在費」(旧文通費)や党が支給する「政策活動費」などの使途公開も検討すべきだ。

首相は今国会での制度改正に積極姿勢を示す一方、連座制に関しては「対象とする政治団体の範囲、違反の種類など丁寧な議論が必要だ」と繰り返している。

裏金問題の全容解明と責任の追及が最優先だ。同時に「政治とカネ」の不祥事を断ち切るための制度や罰則のあり方を与野党で丁寧に話し合う必要がある。