バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

[社説]野党は責任ある政策提案を


 
 
#社説 #オピニオン
2024/2/5 2:00
 
立憲民主党大会で泉代表は「次期衆院選政権交代をなし遂げよう」と訴えた(4日、東京都港区)
立憲民主党が4日に党大会を開き、次期衆院選で「自民党を超える第1党となる」との活動計画を採択した。自民党の裏金問題への有権者の視線は厳しい。だが野党が本気で政権奪取を狙うのなら、責任ある政策提案を通じて支持の拡大をめざすのが前提だろう。

立民は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて①政治資金パーティーや企業・団体献金の全面禁止②議員に会計責任者と連帯して責任を負わせる「連座制」の導入――などを求めている。企業・団体献金の禁止や連座制の導入は、日本維新の会共産党なども主張している。

立民の泉健太代表は野党連携をめぐり「ミッション型内閣」を提唱する。政治改革や教育の無償化など各党が賛同できる共通政策を掲げて選挙に勝ち、政権交代を実現する構想だ。

自民、公明両党が2012年に政権復帰して以降、旧民主党勢力は離合集散を繰り返した。国会対応は「政策提案型」か「政権対決型」かで行きつ戻りつし、選挙戦術でも共産党との距離感をめぐる内向きの論争を続けてきた。

安倍晋三政権では「森友・加計両学園」や「桜を見る会」などの疑惑や不祥事が明るみに出た。しかし与党への不満が政権交代に結びつく展開にはならなかった。野党は与党の揚げ足取りに終始し、政権を任せるのは不安だとの有権者の根強い意識がうかがえる。

野党各党は今国会で優先すべき政策課題として、教育無償化や児童手当の増額、物価高対策の拡充などを主張している。財源に関しては所得税の累進性の強化、金融所得課税の改革などに触れているものの、建設的な対案と評価されるには至っていない。

能登半島地震の対応や「政治とカネ」問題の検証は野党として重要な役割だ。同時に給付増と負担減に軸足を置く旧来型の政策提案はもはや限界だと自覚すべきだ。経済運営や外交・安全保障を含む骨太の戦略を示し、政権との対立軸を明確にしてもらいたい。