バンブーズブログ

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大阪万博開催意義をもっと説明してください‼️

[社説]万博は開催意義の説明足りぬ
 
 
#社説 #オピニオン
2024/4/16 19:00
 
開幕まで1年を切った大阪市の万博会場(13日、ドローンから、パノラマ写真) =共同
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕まで残り1年を切った。開催決定から5年余りになるのに、いまだに何のための万博なのか、国民に浸透しているとは言いがたい。多額の公費を投じる行事であり、主催する政府や大阪府市などは開催する意義の説明に努めるべきである。

大阪万博は来年4月13日に開幕する。準備は遅れており、自前でパビリオンを建てる参加国のうち、着工済みは4分の1ほどにとどまっている。開幕に間に合わないパビリオンが出てくるのは避けられない状況だ。

パビリオン建設の遅れと、会場建設費が当初より8割増の2350億円に膨らんだことに伴う公費負担の増額は、万博をみる国民の目を冷ややかにした。大阪府市による全国調査で、万博に行くことに前向きな回答は21年末の52%、22年末の41%から、23年末は34%に低下している。

関心の低下を映し、入場券の売れ行きも芳しくない。収支を合わせるには2200万枚を売る必要があるというが、1400万枚を予定する前売り券の販売はまだ1割に届かない。運営費の大半は入場料で賄うことになっており、赤字を抱えれば追加の公費負担は避けられないだろう。

こうした負の連鎖の元凶は、開催の意義がはっきりしないことにある。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに持続可能な開発目標(SDGs)など社会課題の解決をめざすというが、会場で何が見られるのか、どんな体験ができるのか、伝わってこない。

各国とも開幕まで展示内容を明かしたくないという事情があるのは理解できる。それでも出せる範囲でコンテンツの魅力を訴え、関心を呼ぶような発信を考えるのが運営主体の役割だろう。

かつて日本人は五輪も万博も始まればみな関心を持つとされた。令和の時代にそんな楽観が通じる保証はないが、日本経済が転換期にあるのは確かだ。新たな時代を見通せる万博にしてほしい。