バンブーズブログ

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イランとイスラエルの今後の行方‼️

[社説]イランとイスラエルの応酬を憂慮する
 
 
#社説 #オピニオン
2024/4/19 19:05
 
イランはイスラエルと長く敵対している(19日、テヘラン市内)=WANA提供・ロイター
イスラエルが19日、イランに反撃したと報じられた。イランは在シリアの自国大使館周辺が空爆された報復として、13日にイスラエルをミサイルやドローン(無人機)で攻撃していた。私たちは双方に自制を重ねて求めてきた。武力攻撃の応酬を憂慮する。

被害の詳細は明らかではない。両国は直ちに公式声明を出さず、イラン国営メディアの報道ぶりは抑制的だ。イランによる13日の攻撃でイスラエル側に死者はなく、反撃もこれに見合う規模にとどめた可能性がある。報復の応酬に幕を引くときである。

爆発音が聞こえたと伝えられたイラン中部イスファハン州には、イランの核開発関連施設がある。イスラエルはイランの核武装を警戒し、かねて同州にあるウラン濃縮施設にサイバー攻撃や破壊工作を仕掛けてきた疑いがある。

仮に核施設が軍事攻撃を受ければ、イランが再び対抗措置を取る可能性があり、報復合戦が続きかねない。攻撃の応酬がやまない限り、偶発的な衝突のリスクは高まる。地域大国の両国が全面的に衝突し、大規模な紛争に至ることは防がねばならない。

中東の緊張に19日には市場でも動揺が広がった。一時、原油先物価格が急上昇し、日経平均株価は急落した。不確実性は世界経済の重荷になる。

イスラエルのネタニヤフ政権はイランに対抗措置をとる姿勢を示してきた。そのイスラエルに米欧などは思いとどまるよう重ねて促し、過剰な報復は友好国の支持を失いかねないと圧力をかけた。

これは一定の効果があったようだ。国際社会のこうした努力は重要であり、一致して双方に事態の鎮静化を求め続けるべきだ。

国際社会が説得力を高めるには公正さが必要である。主要7カ国(G7)首脳はイスラエルを攻撃したイランに対し、攻撃から間もないタイミングで非難した。

イスラエルによるイランへの攻撃も同じように厳しく批判し、事態の悪化を防ぐ姿勢が重要だ。イランと伝統的に友好関係にある日本は独自外交の余地がある。

イスラエルとイランが緊張緩和に向かうかは見通せないが、禍根は確実に残る。両国は長く敵対しながら互いに直接攻撃は慎重に避けてきた。しかし今回、暗黙の了解は崩れ、相手の領土にじかに攻撃する前例をつくってしまった。その危うさを直視すべきだ。