バンブーズブログ

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政治資金の流れを透明にしなさい‼️

[社説]法廷で裏金の実態に迫れ
 
 
#社説 #オピニオン
2024/5/10 19:00
 
自民党安倍派の会計責任者は初公判で、起訴内容を大筋で認めた
自民党派閥の政治資金規正法違反事件の公判が始まった。

深刻な政治不信を招いた事件は、いまなお闇に包まれたままである。不正を繰り返さないためにも、背景を含めた全貌に迫る審理を尽くさねばならない。

東京地裁で10日、安倍派(清和政策研究会)の会計責任者、松本淳一郎被告の初公判が開かれた。事件で起訴(公判請求)された6人のうち、公開の法廷に立つのは松本被告が初めてだ。被告は大筋で起訴内容を認めた。

松本被告が関与したとされる収入不記載額は約6億7000万円に上る。裁かれるべきは「政治資金の流れを透明にする」という法の趣旨をないがしろにした犯罪の悪質性にとどまらない。「政治とカネ」の関係にルーズな自民党の体質ではないか。そのためには過去のいきさつを含め、実態をつまびらかにすることが欠かせない。

検察側は冒頭陳述で「安倍派の収支報告書作成に国会議員は関与していなかった」とした。

だが、裏金を捻出する仕組みをいつ、誰が考えたのか。同派ではいったん廃止を決めたのに、安倍晋三元首相の死後に覆ったとされる。その過程で何が話し合われたのか。さらに還流分の使途もはっきりしない。国民の多くが抱くこれらの疑念は、国会の政治倫理審査会では拭えなかった。

松本被告ら各派閥の会計責任者は、詳細を知りうる立場にいたはずだ。政治不信を招いた過ちを悔いるのであれば、前任者からの引き継ぎを含めて包み隠さず語るほかない。検察側にも丁寧な立証を求めたい。

東京地検特捜部は安倍派幹部のほか、還流を受けた議員の大半の立件を見送った。しかし市民団体などによる追加告発や検察審査会への申し立てが続く。事件は完全に決着したわけではない。

事件の再発防止に向け、国会で政治資金規正法の改正論議が本格化している。組織の病根を直視して真摯に反省しない限り、実のある改革はおぼつかない。