バンブーズブログ

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能登半島地震から半年‼️

[社説]能登の復旧に息の長い支援を
 
 
#社説 #オピニオン
2024/7/1 2:00
 
倒壊したまま残る石川県珠洲市宝立町地区の家屋(6月28日、ドローンから) =共同
能登半島地震から半年。被災地では、長引く避難生活で体調を崩すなどして亡くなる災害関連死が増加傾向にある。

復旧作業も、支援する要員や事業者の不足から時間がかかっている。官民を挙げて息の長い支援に取り組んでゆきたい。

被災地では避難所などで暮らす人が今なお2000人を超す。避難の長期化で災害関連死はこれまでに52人が認定されている。地震の直接的な死者とあわせ、犠牲者は281人と熊本地震を上回った。改めて冥福を祈りたい。

遺族による関連死の申請はまだ100人ほどあるという。熊本地震などでは発災から半年たった後も避難先や仮設住宅での孤立などによる関連死が相次いでいる。被災者のケアの一層の充実に努めてほしい。

能登では倒壊した家屋の多くがそのまま残されている。解体が必要とみられる家屋は2万棟余りあるが、これまでに着手したのは1割強、実際に解体を終えたのは数%にとどまっている。

解体は家屋の所有権を持つ全員の同意が必要で、当初はこの手続きに時間がかかった。手続きは簡素化したが、費用算定や解体、がれき処理を担う事業者が足りず、思うように進んでいない。

解体などを担う建築土木業界は全国的に人手不足にある。各地で水害が懸念される季節を迎えたこともあり、能登だけに集めるのは難しいのが実情だが、できる限り手を差し伸べてほしい。

地場産業も後押ししたい。輪島塗や珠洲焼などのある輪島、珠洲両市では再開した事業者は4割にとどまる。経営者の事業意欲を引き出す伴走支援などを通じて、復興に欠かせない地場産業の再生につなげたい。

能登の現状はアクセス手段が限られる半島が被災した場合の復旧の困難さを浮き彫りにした。南海トラフ地震などが起これば「明日は我が身」の地域は多い。それに備えるためにも官民を挙げて能登の支援に知恵を絞りたい。