【2022年11月9日夕刊レポート】
「日経平均株価は反落、値がさ株への売りが足を引っ張る展開に!」
9日の国内株式市場で日経平均株価は反落し、前営業日比155円68銭安の2万7,716円43銭で終えました。
本日の国内株式市場は、朝方取引開始直後は前営業日の終値を挟んでもみ合う動きをみせましたが、その後は売りに押され次第安の展開を強いられました。前日の米国株式市場では中間選挙の結果判明を前に、選挙後の株高アノマリーを先取りする買いが優勢となりましたが、この流れを引き継ぐことは出来ませんでした。取引時間中に米株先物が冴えない動きだったことや、香港株や中国株が軟調に推移したことなどが投資家のセンチメントを冷やしました。個別では引き続き好決算発表銘柄への買いが目立ったものの、一方で事前コンセンサスに届かなかった銘柄や、決算先取りで株価を上げていた銘柄などへの売りも相次ぎました。
【業種別】
では海運、パルプ・紙、金属製品などが上昇した一方、その他製品、鉱業、石油・石炭などが下落しました。
【個別銘柄】
では、【7974】任天堂が売買代金3位に食い込むも売りが優勢だったほか、値がさでは【9983】ファーストリテイリングの下げが目立ちました。【1605】INPEXが値を下げ、【5713】住友金属鉱山も下落しました。その他にも、【6140】旭ダイヤモンド工業が大幅下落となり、減損計上により、上期末において債務超過の状態となることが見込まれると発表した【4541】日医工がストップ安となりました。半面、【6920】レーザーテックが売買代金で群を抜き上値追い継続、【9984】ソフトバンクグループが堅調な動き、【9107】川崎汽船などの海運株が買いを集めました。その他にも、通期の純利益見通しを引き上げた【3405】クラレが後場に急騰し、【3939】カナミックネットワークが大幅高となりました。
【チャート分析】
9日の日経平均株価・日足は上下に短いヒゲを伴う「大陰線」となりました。 25日移動平均線(2万7,164円26銭)が200日移動平均線(2万7,152円84銭)を下から上に突き抜け、「ゴールデンクロス」となっており、堅調な地合いが見込まれるかもしれません。当面は、日経平均株価が節目の2万8,000円を回復できるかが注目されそうです。
東証プライム市場の売買高は12億8,177万株、売買金額は概算で3兆3,915億円でした。
9日の新興企業向け株式市場で東証マザーズ指数は3営業日ぶりに反落しました。終値は前営業日比2.67ポイント(0.36%)安い738.35でした。東証プライムの主力銘柄が冴えず、東証グロースの時価総額上位の銘柄に売りが出ました。朝方は上昇する場面も見られ、前日の米国株高を背景に運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが入りました。もっとも、上値では利益確定売りが出て、その後は伸び悩んだ展開となりました。
【東証グロース市場】では、【4194】ビジョナルや【7157】ライフネット生命保険が下落しました。一方、【7388】FPパートナーや【9552】M&A総合研究所が上昇しました。