バンブーズブログ

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[社説]野党はまず政策で存在感示せ


 
 
#社説 #オピニオン
2023/9/2 19:00
 
新代表に選出された玉木雄一郎氏(前列左から3人目)を囲んで気勢を上げる国民民主党の国会議員ら(2日、東京・永田町)
野党が国会運営や次期衆院選での各党協力のあり方をめぐる議論を続けている。「自民党1強」の現状を変えるには力の結集が必要だが、政策を度外視して共闘を急ぐような姿勢では有権者の期待に応えられない。日本が直面する課題解決への選択肢を示し、存在感を高めてもらいたい。

国民民主党は2日、臨時党大会で代表選を行い、玉木雄一郎代表が前原誠司代表代行との一騎打ちを制して再選された。

玉木氏は「対決より解決」を掲げ、与党とも政策本位で協力する姿勢で臨んできた。前原氏は野党間の協力強化を訴え、立憲民主党日本維新の会などとの連携に前向きな考えを示した。

玉木氏は大差で代表再選を果たしたものの、昨年の通常国会で政府提出の当初予算案に賛成した判断などへの不満がくすぶる。次期衆院選をにらみ、党運営をめぐる綱引きが今後も続きそうだ。

旧民主党政権が行き詰まり、自民、公明両党が2012年に政権に復帰して10年余りが過ぎた。野党は離合集散を繰り返し、国会対応での重点の置き方も提案型か対決型かで行きつ戻りつした。

旧民主党勢力が国政選挙で8連敗した最大の原因は、政権担当能力への厳しい評価だろう。看板となる政策の旗がかすみ、どの党と組めば次の選挙に有利かという内向きの論争を続けている印象もマイナスに働いたとみられる。

日本経済新聞社テレビ東京の8月の世論調査で、内閣支持率は42%、自民党支持率は38%で微増だった。野党の支持率は維新10%、立民5%、れいわ新選組3%、共産党2%、国民2%となり、与党との差が縮まる気配はない。

野党が本気で政権交代をめざすのならば、まずは成長力底上げや社会保障、防衛政策といった重要課題で説得力ある対案を示して支持を広げていくのが先決だ。

他党との連携や選挙の戦術ばかりに目を奪われて自らの土台がふらついたままでは、「1強多弱」の状況から抜け出せない。