バンブーズブログ

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資産運用業は世界に伍する競争力が必要である❗️

[社説]資産運用業は世界に伍する競争力つけよ
 
 
#社説 #オピニオン
2024/2/12 2:00
 
ブラックロックは米国のインフラ投資会社を1.9兆円で買収すると発表した=ロイター
世界の資産運用業界でM&A(合併・買収)が広がっている。規模を大きくし、多様かつ高度化する顧客の要望に応えるためだ。日本の運用会社は小規模で特徴に欠ける。自らの競争力を問い直し、国内外の運用ニーズにしっかり応える体制を築かねばならない。

世界最大の運用会社、米ブラックロックは1月、米国のインフラ投資の会社を125億ドル(1.9兆円)で買収することで合意した。デジタル分野や物流、脱炭素など世界で高まるインフラ需要を取り込んで、運用益を狙う。

いわゆるオルタナティブと呼ぶ分野で、伝統的な株式や債券とは異なるものとして、運用先を分散する機会を顧客に提供する。

米フランクリン・リソーシズは米パトナム・インベストメンツを買収した。これは競合相手の買収だ。規模を大きくして間接コストを下げ、調査・運用部門に経営資源を振り向ける。

デジタル技術で顧客サービスを厚くするための買収や、運用に生かすデータ分析会社を傘下に入れる動きなども見逃せない。

激しい競争で大手に資金が集中するのが世界の流れだ。ブラックロックの運用資産は10兆ドル。大手は運用資産で1兆ドルが目安とされ、米欧勢が上位に並ぶが、日本勢はほど遠い。

収益率の分布を見ても最上位の大手とブティック型の両端が高収益を上げ、その中間は低収益に沈む。まさに日本が陥っている。

競争力の強化が急務だ。金融庁の要請で、各金融機関は資産運用を高度化する施策を公表した。

三菱UFJフィナンシャル・グループは運用資産を2029年度までに2倍の200兆円に増やす方針を出した。三井住友トラスト・ホールディングスは新興運用会社の発掘や買収のために5000億円の投資枠を設けるという。自前の成長だけでなく、海外を含めたM&Aは選択肢になる。

運用会社のガバナンス改革は必須だ。金融グループの中で運用経験の乏しいトップが入れ替わるこれまでの状況を脱し、経営の透明度を高めるべきだ。グローバルに優れた人材をひき付け、能力を引き出す仕組みが欠かせない。

海外から日本へ投資の関心が高まり、家計向けには新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まった。国境を越えて動くマネーをひき付け、顧客の長期的な資産形成に資する力を高めてほしい。